日暮里から常磐線快速に乗ると、十七分で松戸駅。陽の当たらぬ底冷えするホームから橋上改札を抜けて、西口に出て空中広場を彷徨いながら、ビル街の樹冠に『ISETAN』のロゴを探す。すると、南西端の道の先に件のデパートを発見出来たので、階段を下り、コンクリ正方形タイルの敷き詰められた歩道を伝い、冷たいビル風に嬲られながら南に歩き、広場を通過して大きなデパート『ISETAN 松戸店』に吸い込まれる。一階大売場の隅にあったエレベータに乗り込み、十階の催物場へ。すると箱から出ると同時に、右側に細く長く奥へと延びる、古本ワゴンの列が視界に飛び込んで来た。昨日から始まっている、シンプル&ストレートな名が付けられた、四日間限りの(つまり三十日まで)、ワゴン約三十台の中規模古本市である。武蔵野辺の古本屋さんを中心にして、千葉と東北の古本屋さん九店が参加している。細長く連なるワゴン通路を、前後ろと交互に見ながら、ジワジワ奥へ進んで行く。市各所にはお粧しした古本屋さんが直立し、会場内のサービスに勤めている。お客さんは疎らな入り。郷土・美術・歴史・近代・風俗・雑本・絶版漫画・付録漫画・大判美術本・サブカル・芸能・映画・社会・人文・絵本・雑誌・文庫…ガラスケースもあり、文学・風俗・漫画関連のプレミア本が飾られている。会場の表側には銀フレーム飾り棚が巡らされ、そこには大判本を中心に、プレミア本や揃い本がディスプレイ。…生まれて初めて目にする肩書き“探偵将軍”とある本に心惹かれるが三千円か…この付録捕物漫画、“白い魔犬”とあり、表紙に大きな白犬が描かれているが、もしや「バスカヴィル家の犬」の翻案じゃ…ガラスケースの上の哈爾浜小冊子特集が素晴らしい。でもやっぱり高いな…この前の古本市で500円で売ったカルピスのオリンピックソノシート、二千円もするじゃないか…などと楽しみながらウロウロ。二冊を手にしてさぁ精算…あれ?何処のレジに行けばいいんだろう?近くに立つ古本屋さんに声をかけると、ガラスケース脇から奥まるバックヤード風小部屋に案内される。そこが催物場のレジになっていた。コミック・ペット異色名作シリーズ「恐怖のミイラ/楠高治 原作・高垣眸」(森下仁丹提供の昭和三十年代トラウマTVドラマのコミカライズ作品を復刻したもの。私は子供の時に懐かしの番組特集などで目にしたくらいだが、暗くて不気味で本当に恐かった。今でも思い出す、おどろおどろしい不吉なオープニングや、望遠鏡で目撃する無音の死体遺棄シーンは、眠れなくなるほど恐ろしいものであった。漫画は「少年クラブ」に同時連載されていたもの。当然子供っぽく恐さは微塵もないのだが、その恐怖の遺棄シーンがちゃんと描かれていたので、ちょっとだけ喜んでしまう)村松書館「地獄譚/長野祐二」(恐らく自費出版の私娼窟&悪所巡り短編小説集)を購入する。今年最後の古本市をありがとう!と心の中でお礼を言い、デパートの外に出て再びビル風に巻かれながら、そのまま裏手の線路際に出る。陽の当たる暖かな跨線橋を渡って「阿部書店」(2009/06/28参照)を見に行くが、残念ながらシャッターが下りてしまっていた…店内の蝙蝠、元気でいるかな。
2016年12月28日
12/28千葉・松戸 年末古本市
日暮里から常磐線快速に乗ると、十七分で松戸駅。陽の当たらぬ底冷えするホームから橋上改札を抜けて、西口に出て空中広場を彷徨いながら、ビル街の樹冠に『ISETAN』のロゴを探す。すると、南西端の道の先に件のデパートを発見出来たので、階段を下り、コンクリ正方形タイルの敷き詰められた歩道を伝い、冷たいビル風に嬲られながら南に歩き、広場を通過して大きなデパート『ISETAN 松戸店』に吸い込まれる。一階大売場の隅にあったエレベータに乗り込み、十階の催物場へ。すると箱から出ると同時に、右側に細く長く奥へと延びる、古本ワゴンの列が視界に飛び込んで来た。昨日から始まっている、シンプル&ストレートな名が付けられた、四日間限りの(つまり三十日まで)、ワゴン約三十台の中規模古本市である。武蔵野辺の古本屋さんを中心にして、千葉と東北の古本屋さん九店が参加している。細長く連なるワゴン通路を、前後ろと交互に見ながら、ジワジワ奥へ進んで行く。市各所にはお粧しした古本屋さんが直立し、会場内のサービスに勤めている。お客さんは疎らな入り。郷土・美術・歴史・近代・風俗・雑本・絶版漫画・付録漫画・大判美術本・サブカル・芸能・映画・社会・人文・絵本・雑誌・文庫…ガラスケースもあり、文学・風俗・漫画関連のプレミア本が飾られている。会場の表側には銀フレーム飾り棚が巡らされ、そこには大判本を中心に、プレミア本や揃い本がディスプレイ。…生まれて初めて目にする肩書き“探偵将軍”とある本に心惹かれるが三千円か…この付録捕物漫画、“白い魔犬”とあり、表紙に大きな白犬が描かれているが、もしや「バスカヴィル家の犬」の翻案じゃ…ガラスケースの上の哈爾浜小冊子特集が素晴らしい。でもやっぱり高いな…この前の古本市で500円で売ったカルピスのオリンピックソノシート、二千円もするじゃないか…などと楽しみながらウロウロ。二冊を手にしてさぁ精算…あれ?何処のレジに行けばいいんだろう?近くに立つ古本屋さんに声をかけると、ガラスケース脇から奥まるバックヤード風小部屋に案内される。そこが催物場のレジになっていた。コミック・ペット異色名作シリーズ「恐怖のミイラ/楠高治 原作・高垣眸」(森下仁丹提供の昭和三十年代トラウマTVドラマのコミカライズ作品を復刻したもの。私は子供の時に懐かしの番組特集などで目にしたくらいだが、暗くて不気味で本当に恐かった。今でも思い出す、おどろおどろしい不吉なオープニングや、望遠鏡で目撃する無音の死体遺棄シーンは、眠れなくなるほど恐ろしいものであった。漫画は「少年クラブ」に同時連載されていたもの。当然子供っぽく恐さは微塵もないのだが、その恐怖の遺棄シーンがちゃんと描かれていたので、ちょっとだけ喜んでしまう)村松書館「地獄譚/長野祐二」(恐らく自費出版の私娼窟&悪所巡り短編小説集)を購入する。今年最後の古本市をありがとう!と心の中でお礼を言い、デパートの外に出て再びビル風に巻かれながら、そのまま裏手の線路際に出る。陽の当たる暖かな跨線橋を渡って「阿部書店」(2009/06/28参照)を見に行くが、残念ながらシャッターが下りてしまっていた…店内の蝙蝠、元気でいるかな。
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それにしても「白い魔犬」が気になる……。