2017年01月22日

1/22東京・吉祥寺 吉祥寺パルコの古本祭り

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駅北口からお洒落な人波に乗って、西にある『吉祥寺パルコ』にユラユラ向かい、セールで華々しく飾り立てられた一階女子世界を、何食わぬ顔で堂々進んでから、地下への一人幅エスカレーターに飛び乗る。地下一階でステップから離れ、ぐるりと上りエスカレーター側に回り込むと、その脇の一角で、およそ二十ほどのワゴンを並べた、『パルコブックセンター』主催の古本市が開催されていた。キャッチコピーは『若手店主が営む個性派古書店12店舗が吉祥寺パルコに集結!』である。それにしても『吉祥寺パルコ』は古本市が好きであるな。ついひと月前にも、七階で「ART BOOK BAZAR」(2016/12/12参照)が開かれたばかりなのに、またもやの古本市開催に加え、開催期間が2/20(月)までと長めなのである。あっ!良く見ると奥のレジに立つエプロン姿の男性は、「ARt BOOK BAZAR」で、たった一人で広い会場を守っていた人と同じ人じゃないか…恐らく永遠の古本市担当なのかもしれない…ありがとうございます。古本がいつもお世話になっております。会場内には家族連れや若い男女がワゴンに向かっており、なかなかの盛況を見せている。洋書絵本や近刊文庫が人気のようだが、映画系文庫や美術やCDやレコードも幅を利かせ、小さいながらもバラエティに富み、キレイ目な古本世界を展開している。一番心惹かれたのは代々木八幡「rythm_and_books」(2011/08/10参照)のワゴンで、完全にカルチャー変態度全開な新書サイズ本の並びに、この世の中におかしな本を撒き散らしてやる!という素敵な気概を勝手に感じ取る。そんな中から一冊を選び取ったのだが、なんと値段が付いていない。近くに並ぶ本の間や周辺を見回すが、スリップが落っこちている気配はない。だがその本がとても欲しかったので、あえて永遠の古本市担当男性に値段を聞くことにする。するとしばらく待たされたが、方々に電話を掛けていただき、およそ七分後に500円であることが判明する。「あっ、じゃあいただきます。お手数かけてすみませんでした」「いえ、こちらこそ申し訳ございませんでした。では税込で540円になります。今スリップを作りますので、少々お待ちください」などとやり取りし、新興音楽出版社「口笛の吹き方/金井セツヲ」を購入する。

この本、文庫サイズの音楽独習&名曲集の一冊なのだが、他はみなちゃんとした管楽器打楽器洋楽器和楽器なのに、これだけが何故か異色の人体楽器の一冊(附録として他にも「柴笛(木の葉を利用)」や、裏聲を必要とする「聲笛」、口の中に手を叩いた音を響かせ演奏する「マウス・シロホン(口の木琴)」の技法も紹介)として滑り込んでいるのである。内容はもちろん技術的なことにページが割かれているのだが、冒頭や合間合間に口笛の市民権を高めるための文章がしつこく挿入されており、それが悲哀を誘いつつおかしくてたまらない。口笛に関する石川啄木の短歌を引き合いに出し、口笛に潜むロマンチシズムを熱く語ったり、「二十有餘年來この口笛を吹き通して來たが未だ一度も泥棒に見舞われたこともなければ、又蛇が出て來たといふこともない」などと、口笛が好き過ぎて民間伝承などにも立ち向かう始末なのである。フフフフ、今日も古くて面白い古本が買えたぞ。
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ついでに最近開いているところにお目にかかれなかった、南口側凶悪極狭バス通り沿いにある「バサラブックス」(2015/03/28参照)を見に行くと、今日はちゃんと開いている!よかったと胸を撫で下ろし、小さな三角形店内の豊穣な棚を慈しむ。双葉社「ルパン殺人事件/野坂昭如他」の帯付きを400円で購入する。その後はテクテク西荻窪まで歩き、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)にちょこっと補充すると、帳場脇に古本神・森英俊氏がヌゥッと立っており、挨拶を交わしつつ古本屋情報交換。千葉・松尾「サティスファクション」(2012/12/19参照)移転や、西八王子「一歩堂」(2015/05/11参照)の猫多頭飼いに驚かされる…これはちょっと確かめに行かなければ…。
posted by tokusan at 16:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
別件ですが、昨日渋谷シネマヴェーラの南口キクヨことオロナイン軟膏効くよの浪花千栄子特集の一環川島雄三監督のあの「貸間あり」をついに見参す。噂にたがわず恐るべきコメディの全編に触れ大いなるカタルシスを得ました。で、その巻頭すぐにあの天牛書店が。ぺてん師藤木悠と万年受験生小沢昭一の絡みが書店内で。これはもはや日本映画史に残る古本屋シーンとして古ツアー認可にされるべきものと存じますがいかが。
Posted by オロナイン軟膏効くよ at 2017年01月22日 23:10
「貸間あり」は未見ですが、そんな素晴らしいシーンがあるんですか!まったく知りませんでした。ちょっとどうにかして観てみて、脳内ツアーしたいと思います。情報ありがとうございました!
Posted by 古ツア at 2017年01月24日 17:21
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