2017年03月04日

3/4帯付きの浅原六朗に巡り会ってしまう。

色々こなして、本日流れ着いたのは中野駅。人間が川のように流れる土曜日の駅頭とアーケード商店街を突破し、自ら積極的に『中野ブロードウェイ』に迷い込む。と言っても目指すのは、当然の如く四階の「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)である。長いエスカレーターで一気に三階まで上がり、たくさんの外国人と擦れ違いながら、階段で四階へ上がると、次第に喧噪は遠ざかって行く。通路の100均棚を見て、北側の探偵小説ゾーンに目を凝らし、奥の壁棚の少年少女小説群に目を血走らせる。…良い物はあるが、懐と折り合いがなかなかつかない。あぁ、あの時の「ジゴマ」(2016/09/07参照)見たいな意外なものが、驚きの安値で見つからないだろうか…。だが世の中と「まんだらけ」はそんなに甘くなく、何も手にすることなくお気に入りのゾーンを見終わってしまう。仕方ない、垂涎恋い焦がれ古本群がディスプレイされた、ガラスケースでも虚しく眺めて行くか…。うふん、やっぱり欲しい本と読みたい本と見たことのない本がいっぱいだ!とたちまち虜になり、熱っぽく病的に目が輝いてしまう。いやぁ、だけど値段がほとんど五桁…宝物の域に突入しているな………んん?キレイな儚い帯付きの春陽堂文庫が…ぎゃお!浅原六朗の「モダンマダム行状記」じゃないか!他の文庫の巻末目録でその存在は知っていたが、俺は初めて見たぞ!値段は…三千円かっ!長年探し求めていた文庫と、今ガラス一枚を隔てて邂逅しているこの興奮!よし、買うぞ!ガラスケースを開けてもらおう!と意気込み、対岸のレジのお姉さんの接客が終わるのを待ち、声をかけてケースを開けてもらう。そのままレジに移動して、即購入してしまう。ついに、この手に入ったか!と喜び、通路で袋から取り出して記念撮影。日本小説文庫&春陽堂文庫は探偵小説でその筋の好事家に人気だが、実は今は読めない昭和初期の大衆風俗小説がだいぶ含まれている。探偵小説は当然の如く高値だが、大衆風俗小説はほどほどに安値なのが嬉しいところ。新興藝術派が書く大衆小説。果たしてあの文章の鉱物的な煌めきは、残されているのか…早く読まなければ!
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などと興奮していると、「まんだらけ」辻中氏に発見されてしまい、慌てて挨拶を交わす。その後は二階に下りて「古書うつつ」の通路ミニ100均棚に集中する。ここはマメに見ていると、面白い本がよく見つかるのだ。今日は河出書房新社「シンポジウム 発言/山川方夫・武満徹・羽仁進・谷川俊太郎・浅利慶太・石原慎太郎・大江健三郎・江藤淳・etc...」と国立劇場上演資料集68「東海道四谷怪談/国立劇場芸能調査室編」を発見し、計200円で購入する。この「東海道四谷怪談」は上演年表・解説・研究・型と演出・芸談・参考文献で構成されているのだが、明治や大正期の上演を中心にまとめられているのが面白い、俳優の怪談演技論から、戸板返しなどを含む舞台美術までが、縦横無尽に語られている。
posted by tokusan at 19:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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