2017年03月15日

3/15「中央線古本屋地図(仮)」は微速前進中

突然冷蔵庫に押し込められた水曜日。午前十一時過ぎに古本を抱えて家を出て、震えながら荻窪「ささま書店」(2008/08/23参照)に向かう。表に出たばかりの店頭棚を、寒さと闘いながら血眼チェック。すると、隣り合った老古本修羅が「ここは、寒いねぇ〜。本当に、寒いねぇ〜」と話しかけて来た。確かに常時冷風が容赦なく吹き付けて来るので、「今日は、格別な寒さですよね」と、その寒さに顔をこわばらせながら答えると、「寒い寒い。おぉ〜寒い」と歌うように再びぼやき、古本をしっかりと手にして行く。おまけに、棚の整理までして行く。次第に右にジリジリ移動する彼と、素早く場所を入れ替えて、こちらも負けじと古本を手にして行く。早く店内に逃げ込みたいが、もちろん最後の最後まで棚を見ないと気が済まない。おまけにすでに見終わったゾーンに、店員さんが新しい本をドカドカと並べ始めたりする。もう一度補充本を見るために元の場所に戻ったりして、結局三冊を手にする。暖かい店内で、人心地つきながら精算。albatros「Kretek a podzim」(黒いモグラが主役の、チェコの蛇腹型絵本)筑摩書房「退屈なパラダイス/山崎浩一」東京國民書院「詩集 旅と涙/勝田春月」(函ナシ。昭和二年十四刷。表紙に金で箔押しされた『TRAVEL AND TEARS』にグッと来て中を開くと、旅情と哀愁と寂寥を漂わせる読みやすい大正時代の詩が、小さな本からこぼれ落ちてくる)を計315円で購入する。この後は本来ならそのまま西荻窪まで歩くべきなのだが、寒さに敗走して電車に乗ってしまう。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)では店頭100均文庫台から創元推理文庫「暗黒大陸の怪異/ジェームズ・ブリッシュ」旺文社文庫「高島忠夫の洋食劇場」を計200円で購入しつつ「フォニャルフ」にひとまず補充するが、そろそろ大幅な入替時期に来ている予感が、ヒシヒシと背中を走る。一山超えたら、また家の古本山と、がっぷり四つに組み合わなければ…。そして店主・小野氏と色々打ち合わせつつ、「中央線古本屋地図(仮)」用の重い資料を受け取る。編集制作作業は、ちょっと微速前進状態ですが、どうにか四月には発売に漕ぎ着ける予定で、これから遮二無二働きます!岡崎武志氏も、フットワーク軽く筆も軽やかに、様々な企画を文章化中であります!どんな本になるのか楽しみにしていただいているみなさま、もうしばらくお待ち下さい。

寒さと重い荷物を抱えているせいで、古本屋ツーリストの矜持などは軽く折れてしまい、遠くの古本屋に行く気が失せてしまう。駅前で暖かい立食い蕎麦を啜った後、ガード下を潜ってかなり久しぶりの「忘日舎」(2015/09/28参照)に足を踏み入れる。変わらぬ硬派な店内は、まるで欧州田舎の小さな教会のようである。入口左横の円弧棚の上に乗った本の列から、法政大学出版局「海の歳時記/宇田道隆」を350円で購入する。海の蘊蓄エッセイをまとめた一冊なのに、何故か表紙には河童が描かれている。だが、よくよく調べてみると、海に河童が出没する地域もあるらしい。勝手に河童は川に出るものと思っていたが、妖怪には柔軟な多様性があることを、一冊の本の表紙から改めて知る。
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posted by tokusan at 19:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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