2017年03月28日

3/28原稿の合間の空振りを年季の入った回転ラックに癒してもらう

本日は「中央線古本屋地図(仮)」のレイアウトではなく、原稿書きに腰を据えて挑みかかる。一気にドバッと書き上げたいところだが、集中力が途中で途切れ、心が古本屋を欲してしまう。と言うわけで午後に発作的に外出し、前回空振りした大崎広小路の古本を売る電機製品小工場(2017/03/01参照)を見に行くことにする。今回は東急池上線には乗らずに、五反田駅から歩いて目指すことにする。良く考えれば、わざわざ電車に乗らずとも良いほどの短い距離なのだ。暗緑色の目黒川を越えながら、池上線の高架が普通より高いことに目を瞠る。あっという間に件の工場の前に到着するが、あっけなく空振りしてしまう。今日も扉は閉じられ、ガラス戸の向こうに本棚を見せているだけなのだ…これは、もしかしたら案内を乞うてから、買わなければならないのだろうか。それとも古本販売は、すでに辞めてしまっているのだろうか。いつまでも坂の途中で考えていてもしょうがないので、トボトボ歩いて五反田駅へ戻る。そのまま山手線外回りに乗って、渋谷駅で途中下車。宮益坂に足を掛け、ついに『宮益坂ビルディング』の巨体が姿を消したことを改めて寂しく感じ、坂の上の「中村書店」(2008/07/24参照)。空振りの虚しさとビルが消えた悲しさを紛らわすために、今、どさくさに紛れて告白しよう。実は俺は、このお店の金属製回転ラックを、心から愛しているのだ。思いっきり人様の物なのだが、愛して止まないのだ。
kaiten_rack.jpg
年季が入って傷んで歪み、アルミニウム合金と思われる表面には白サビさえ浮かんでいる。軽やかなフォルムだが、装飾性など皆無なシンプル過ぎる姿形。機能性重視のはずなのに、ラック部分全面中心に太いフレームパイプが縦に走る残念さ。中心のパイプを軸にして、上下それぞれ二段ずつで四面に分かれたラックは、重心がすでに不安定になりながらも、キィキィと細かな軋みを立て、わりとスムーズに回ってくれるのだ。このラックから100均文庫を買ったことは一度もないが、いつでも店先で、もしくは店内でしっかりと回し、数多の古本を搭載して、長い年月を回転しながら飛び越えて来たその偉大さを味わうことに、腐心してしまうのだ。今日も上段をくるくる回し、見覚えのある文庫で一周を判断し、続いてしゃがんで下段も一回し。まるで、公園にあった『回転ジャングルジム』を、巨人になって手の中で回しているようだ。人間は何故こうも、回転する物が好きなのだろう…。それから隣の100均台と箱をゆっくりと漁るのが、いつもの流れなのである。俺だけかと思ったら、次にラックの前に立ったオジさんも、上下共しっかりクルクル回している。やはり楽しいのだろう。世の中に回転ラックは数あれど、俺にとってはこのラックが、この世で一番の物なのだ。と、そこまで思考を暴走させ満足したところで、中央公論社「忘れられた日本〈沖縄文化論〉/岡本太郎」(裸本)を100円で購入する。見返しに『沖縄観光協會之印』があるのが感慨深い。昭和三十六年の初版なので、復帰前の沖縄にあった本なのだろう。それを東京で手に入れる、この不思議さ!そんな風に色々満足した後、家に戻って原稿を無事に書き上げる。これが終わったなら、さぁ、再びレイアウトだ。
posted by tokusan at 22:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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