2017年04月10日

4/10大正時代の北園克衛!

本日午前中、ようやく「中央線古本屋地図(仮)」のレイアウト作業を終える。そしてここに至り、初めて全ページ数が判明…思えば本作りの基本を無視した、不安定な長い闘いであった…。後は一括校正をして修正を反映させ、いよいよ入稿となる。これまで作業工程ばかり綴ってきたが、完成まであともう少し!刮目して待たれよ、全国の愛しき古本修羅たちっ!

他にも色々作業していたら、すでに時刻は夕方である。所用のために中野に外出するとともに、ちょっとした開放感に包まれつつ『中野ブロードウェイ』に吸い込まれる。二階の「古書うつつ」(2008/06/18参照)前に立つと、通路のミニ100均コーナーには、映画パンフ・「こどものとも」・「面白半分」などが多めに並んでいる(ただし100円以上もあり)。「こどものとも」を丁寧に繰り、二冊を選び出して店内へ進む。こちらでも入って直ぐ左のほぼ100均コーナーにへばりつく。福音館書店「ごろごろにゃーん/長新太」「かわとかくれんぼ/司修」角川文庫「ロールスロイスと銀の銃/チェスター・ハイムス」学風書院「笹をたずねて/高嶋雄三」(笹が好きで好きでたまらない文学者の、笹そのものや笹に関する伝説類を集めた紀行集である、千葉『八幡の薮知らず』潜入記もあり!)を計600円で購入する。そのままブロードウェイを通り抜けるようにして『早稲田通り』に脱出。相変わらず客気の多い「中野古本案内処」(2015/08/23参照)へ。やっぱり店頭左側の新書サイズ本は、大いに好みであるな!と改めて確信して一冊抜き取り、明るい店内に進む。奥側中央通路の文学棚からも一冊。カッパノベルス「大怪盗/九鬼紫郎」かたりべ叢書17「牧野信一と結城信一/保昌正夫」を計540円で購入する。安値の本ばかりで無邪気な古本心を満足させて帰宅すると、そこには一冊のハードカバー本が届いていた。最近敗退癖のついているヤフオクで、久々に落札出来た古本である。大正時代の俳句を核に据えた文藝雑誌「鹿火屋」の合本…もちろんそれだけだったら、いくら大正時代好きとは言え、とても入札などしなかったのだが、執筆陣の中に『橋本健吉』の名があったのでドキリ!とし、即座に出せる金額をキーボードで叩き込み、数人のライバルは現れたが、どうにか無事に2520円で落札出来たのである。青い布表紙の本はズシリと重く、大正十二年の一月號〜四月號の合本となっている。急いで各冊の目次をチェックしてみると、橋本健吉の詩が一月號に『毒薬』三月號に『火葬場』四月號に『電柱』が掲載されている。『橋本健吉』とは、詩人・北園克衛の本名である。つまりここに載っている詩は、二十一歳の北園が書いた初期作品ということ!モノが俳句雑誌であり、北園も俳句を作っていたので、てっきり載っているのは俳句作品だと思っていたのだが、これは実に嬉しい誤算である。別に新発見とかいうわけではなく、きっと何処かの本で読めるのだろうが、やはり当時の雑誌で、時代の手触りと活字を味わい読む文章は、とても感慨深いものがある。各詩は、後の北園作品から想像出来ぬ程の、オーソドックスな抒情詩風。これが進化に進化を遂げて、プラスティックポエムにたどり着くのだから、人間とはなんとも底知れぬ生き物である。そんなことを偉そうに考え、いつものように古い本を楽しみながら、次第に夜は更けていく…。
kabiya_hashimoto.jpg
posted by tokusan at 21:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
北園克衛もお好きなんですか。さすが、守備範囲が広大ですね。古本屋で数々の獲物を逃し、連戦連敗の人生を送ってきましたが、五本の指に数えられる我が失敗談の筆頭は、あの中村書店にきれいな『VOU』が30〜40冊ほど平積みされていて、確か一冊300円ほど。レイアウトの美しさには驚嘆しましたが、若く愚かなぼくは一冊も買わなかった。北園克衛の名は知っていたのに。いやなに、40年近くの苦い想い出です。
Posted by ぺんぎん at 2017年04月11日 01:30
もうとにかく雑食ですから。それにしても四十年前は、「中村書店」で「VOU」が三百円!今では同店で五千円くらいついてますね。どうにかタイムマシンを開発して、昔の自分に喝を入れにいきましょう!その時はお供します。そして「VOU」を買いまくります!
Posted by 古ツア at 2017年04月11日 19:05
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