2017年06月15日

6/15東京・新小金井 古本・雑貨 尾花屋

obanaya.jpg
本日は武蔵境と三鷹の間にある巨大な『境浄水場』近くに流れ着く。『中島飛行機 武蔵製作所社』の工場引込み線跡が、遊歩道として残っているのか…などと感心していたが、武蔵境が近いのを幸いとして、今日もあの新しい古本屋さんを目指すことにする。今日こそは、開いていてくれ!そう激しく祈りながら、『境浄水場』をクリアして玉川上水を渡り、トコトコ歩き続けて駅に着き、西武多摩川線に無事乗り込む。住宅の間を走り抜ける単線は、二分ほどで次の駅に到着する。ホームから下りて突端の踏切前に立ち、乗って来た電車が通り過ぎるのを待って、遮断機の上がった踏切を渡る。改札を抜けると、小さな可愛らしい駅前である。ちょっと歩いて徐に振り返ると、そこにはさらに可愛らしい駅舎が建っている。まるで映画『パンダコパンダ』に出て来る郊外の駅ではないか!東京にこんなプリティーな風景がひっそりと存在していることに小さく拍手し、西へ向かって歩き始める。すぐに『新小金井西口商店会』のゲートが出迎えてくれるが、そこには入らずに一本南の杭が林立した道に進む。するとそこは鄙びた小さな商店街で、多数の電灯のカバーを広告として利用する電器屋に虚を突かれながら西に進んで行くと、おぉ!右手中華屋さんと薬屋さんの間に、古本屋さんが堂々誕生していた。スクエアな日除けには店名とともにシンボル化された尾花(ススキ)が描かれている。その下右には三本の100均単行本棚(「暮しの手帖」など雑誌もあり)があり、左には絵本棚が置かれている。単行本は硬めだが良い感じ…おっ、宝石社の仁木悦子が!と幸先の良いファーストコンタクトを果たし店内へ進む。小さめだが余裕のある空間作りが為されており、シックである。そして誰もいない…。右壁は古着から始まり、下には洋書ファッション雑誌とファッション関連が固まっている。その奥には木製のガラス戸付きキャビネットが三本続き、中を覗き込むとどうやら貸し棚らしい(下記のコメントにある通り、ここは“貸し棚”ではなく厳然たるお店の棚で、紙に書かれているのは買取先の情報とのことである。古本の元の持ち主のプロファイルが見られる棚!斬新である)。名刺大の紙に出店者の職業と年齢や情報やメッセージが記されている。現在は十二人が出品しており、吉本隆明・鳥類・ゴルフ・囲碁・共産主義・歴史・宗教・スタジオジブリ関連などが収まっている。フロア中央には棚とテーブルで島が造られており、文学復刻本・ごはん&料理とともに、店内同様シックな雑貨類が飾られている。左壁には大きな棚が連続して張り付き、絵本・洋書絵本・食・美術・美術図録・グラビアムック類・200均文庫&新書を並べている。奥には難解の極みである埴谷雄高棚もあり。そして正面奥に帳場があり、いつの間にか奥から姿を現した、何だか“冬”と言ったイメージの青年店主が立っている。本の数はそれほど多くはないのだが、これはこれですでに完成されたような、不思議なスタイルのお店である。そしてもう何年もこの場所にあるかのように、いきなり街に溶け込み始めている。値段は安め。みすず書房「鬼道/眞殿皎」(丹羽文雄への謹呈署名入り)宝石社「刺のある樹/仁木悦子」を購入する。精算時に、帳場前に古い電話機(受話器と送話器が別れているやつ)が取付けられているのにようやく気付く。ここにも名刺大の説明書きがあるので読んでみると、お店に人がいないときは、これを使って呼び出すことになっているらしい。つまりはインターホンなのであるが、いつか必ず使ってみたいほど魅力的な代物である。お店の外に出ると、自転車で通りかかった母娘が「ほら、古本屋さんできたんだ」と話し、斜向いの豆腐屋さんの女将さんも「100円の本があんなに…」と話題にしている。開店おめでとうございます!
posted by tokusan at 20:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
3日連続の新小金井、お疲れ様でした。店内にいると通行人の話声がよく聞こえますよね。小学生たちにも大変期待されているのが分かりました。キャビネの中の本に寄り添っている名刺大の紙ですが、買い取りのお客さんのプロフィールで、つまり、貸し棚ではないそうです。
Posted by isogai_1 at 2017年06月16日 06:58
やはり初日に行かれたんですね。さすがです。何はともあれ、商店街に古本屋があるのは、とても嬉しいことです。そしてキャビネ本の情報ありがとうございます。本文に改めて注釈を入れておきました。
Posted by 古ツア at 2017年06月16日 09:03
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック