2017年07月27日

7/27三鷹の跨線橋に陶然とする。

ようやく一息つけるような、涼しい曇り空の下、三鷹駅近くの上連雀一丁目に流れ着く。目の前のフェンスの向こうには、大きな電車庫が広がり、黄色が輝く総武線や、用途の分からぬ特殊車両が、長い身体を線路の上に横たえている。その線路の上を少し見上げると、およそ百メートルの長さを誇る、古く実用的な跨線橋が美しくシンプルな骨組みを、空の中に浮かび上げている。これが、太宰治も愛したという、古い戦前から架かる陸橋か。靴底に削られ、何だか丸みを帯びた礫を含むコンクリ階段を上がると、古いレールをフレームとして再利用した、長い長い橋が、北と南の街をつなげてくれている。橋の真ん中辺りには家族連れが佇み、行き交う列車を飽きもせず眺め続けている。
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橋の南側に渡ると、その階段上がり口に、階段に太宰が佇む写真のある文学説明板がちゃんとある。思わず時空を飛び越え、昭和四年の創建当時まで心身が大胆にも遡ってしまうが、同時にガイナックスの名作オリジナルアニメ『フリクリ』の、ベスパが駒撮りで動き回る実写エンディングが撮影されたのも、ここら辺りの線路際ではなかったかと、思い至る。文学とアニメをしばしの間堪能し、ツラツラ歩いて「水中書店」(2014/01/18参照)へ。日本放送出版協会「趣味の世界8 奇石珍石」講談社文庫「悦楽王/団鬼六」140B「西加奈子と地元の本屋」を計300円で購入。三鷹駅始発の総武線にゆっくり座って阿佐ヶ谷駅へ。「古書 コンコ堂」(2011/06/20参照)にてサンリオSF文庫「流れよ我が涙、と警官は言った/フィリップ・K・デイック」岩波文庫「春昼・春昼後刻/泉鏡花」虫プロ COM名作コミックス「弁慶/手塚治虫」を計515円で購入し、おとなしく家に帰り着く。
posted by tokusan at 19:39| Comment(6) | TrackBack(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「三鷹陸橋の上…まったく太宰の匂いがする…」とかってセリフを、昔々宮谷一彦の劇画で読んだのを想いだしました。
それにしてもよい写真が撮れましたね。一瞬、アラン・ドロンの「サムライ」のワンシーンまでが蘇りましたよ。
Posted by 東奔西走 at 2017年07月27日 20:32
宮谷一彦劇画にそんなセリフが!よ、読んでみたい!いや、読んでいるのですが、忘れているのかもしれません…。
Posted by 古ツア at 2017年07月28日 08:13
下連雀に住み、三鷹の陸橋を往復してた頃の宮谷も、埴谷雄高にハマっていたそうですね。
個人的には、ガース氏の「殺人鬼百選」を我が心のバイブル(!)と仰る古ツアさんに、さらなる「死霊」論を語って貰いたいです。
Posted by 東奔西走 at 2017年07月30日 23:49
そう言えば宮谷一彦「肉弾時代」には、埴谷雄高をモデルとした、歴史学者の般若博士が出て来ますね。「死靈」については語れるほど理解していれば良いのですが、まだまだまだまだその粋には手が届きません。NHKの「埴谷雄高独白 死霊の世界」(傑作!)を見直して、出直して参ります。
Posted by 古ツア at 2017年07月31日 21:06
般若博士!いましたねぇ…そういう人^^。NHK「死霊の世界」も、言われて思い出しました。You Tubeで見直しましたが、これ参考になりますね。ご教示ありがとうございます。宮谷も埴谷雄高との出会いは、やはり古本屋でたまたま手にしてページをパラパラ…だったようですが、新宿御苑前のバーで埴谷本人を見かけて大興奮…なんてこともあった由。
どうも宮谷一彦のことになるとリキが入ってしまい、三連投もスミマセン。差し詰め自分にとっての心のバイブルは、宮谷の「性触記」かもなので…。
Posted by 東奔西走 at 2017年08月02日 23:06
「死霊の世界」は自宅で収録した埴谷によるエキセントリックな解説に加え、朗読の蟹江敬三が素晴らしいですよね。宮谷「とうきょう屠民エレジー」も捨て難い物が…。
Posted by 古ツア at 2017年08月05日 07:07
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