2017年07月31日

7/31非情の京成本線!

朝早くから色々作業し、すべてが片付いたので大いなる開放感に包み込まれ、午後に外出。久々に千葉の名店「キー・ラーゴ」(2009/11/25参照)だ!と、すでに素晴らしい古本を見つけた気分になり、電車に揺られまくる。だが一時間四十分かけて到着した、午後四時前の長い商店街のお店は、冷たくシャッターを閉ざしていた…うぉぉぉぉぉ、「キー・ラーゴ」では初めてお店を訪ねて以来、一度もシャッターアウトはなかったはずなのに、ついにこの日を迎えてしまったか…。こぼれ落ちそうになる涙を我慢しながら、駅にサッサと引き返し、ならば八千代台の「雄気堂」(2009/05/30参照)だ!と二駅移動する。何事もなかったかのように胸をときめかせながらお店に向かうと、ぐぬぅ、無情のガラス戸アウト…よもや千葉の名店が二店ともお休みとは…考えもしなかった…。まだまだ強い日射しと、暑いアスファルトの照り返しに嬲られながら、これからどうするかを思案する。高根公団の「鷹山堂」(2009/05/17参照)…それともかなり引き返して京成八幡「山本書店」(2010/06/29参照)に…いや、そう言えばまだこの京成本線の先の駅に、古本屋があったはずだな…そうだ、志津の「日置書店」(2014/04/29参照)だ。おばあさんが切り盛りしている、街の小さな激安リサイクル系古書店であるが、その去就が気になるので、ここはひとつ良い本を買うという方針を変えて、消息を尋ねに行くとするか。そう決めて再び京成本線に乗り込み、意外なほど千葉の奥地へ来たのを実感しながら志津駅着。北口に出て、朧げな三年前の記憶と現実の街を縒り合わせ、小さな居酒屋ばかりが集まる鄙びた駅前を進む。すると駅から一本裏通りに、以前と変わらず閉店して自然に取り込まれつつある商店と肩を並べ、元気に立派に営業している黄色いお店が目に飛び込んで来た。正直に言うとその瞬間、閉店していないのが不思議なほど、寂しくちょっと荒れた通りで、よくも健気にお店が続いているものだと、大いに感心してしまったのである。嬉しくなって、コミックと文庫とエロ本ばかりの店内に入り込む。店主のおばあさんは健在で、帳場で大量のコミックの値付中。扇風機が涼風を流し込む、狭い通路にしゃがみ込み、棚を隅から隅までチェックして行く。さらには新しめの文庫の裏に、古く汚れた単行本が横積みになっているのを発見し、本を引き出し背をチェックして行く。集英社文庫「ダメをみがく/津村記久子・深澤真紀」NTT出版「第10回・NTTふれあいトーク大賞100選」ワニの本「恐怖びっくり毒本/ビートたけし編著」ニッポン放送出版「これが噂のヒランヤだ/三宅裕司のヤング・パラダイス編」情報センター出版「いちど尾行をしてみたかった/桝田武宗」を選び出し、おばあさんに差し出すと、たちまち本を仕分けた挙げ句、値段の付いていない四冊を積み重ねて「こっちは上げる!」と宣言。結局「ダメをみがく」の五十円だけを精算することに。う〜ん、たぶんこのお店には、時々来るだけでは分からない、何かが潜んでいそうな気がしてならない。地元民にしか分からぬ、このお店の役割と良さとお店の続く秘訣が、きっと何処かに隠れているのだろう。そんなことを思いつつ、相変わらず人影の無い表に出る。七月最後に訪れた古本屋さんは、まぶしく爽やかなレモン色で、小さな街に密やかに、大衆的雑本を振りまいていた。
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posted by tokusan at 20:56| Comment(2) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あぁ、雄気堂まで遠征されてシャットアウトですか。わかります...涙なしには聞けないお話です。私もこの冬に二回も閉店の店前に立ち尽くし、古ツアさんに訴えたら、「午後3時からの開店ですよ」とご教示いただき、六月にやっと店内拝観デビューできました。お礼が遅くなってすみません。ところで、店主としばしのおしゃべりを楽しみましたが、「千葉じゃ、柏の太平書林が最高! あそこが閉めたら、日本の古本屋はおしまいだ」と力説されてました。
Posted by ぺんぎん at 2017年08月01日 00:24
午後三時過ぎに行ったのに開いてませんでした…まぁそういうこともありますな。そうですか、オヤジさんが「太平書林」を褒めていたのですか。う〜ん、次回は、「キー・ラーゴ」→「雄気堂」→「鷹山堂」→「太平書林」の贅沢な名店コースにチャレンジしてみようか…。
Posted by 古ツア at 2017年08月01日 21:17
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