2017年08月09日

8/9「一日」に入れなかったおかげで「刺青殺人事件」を手に入れる!

皆に平等に襲い掛かる猛暑の中、午前十一時半の西荻窪「盛林堂書房」に向かい、「フォニャルフ」に単行本を中心にわりと多めに補充する。帳場までは塩山芳明御大と遭遇し、ピンク映画のスチール写真について会話の花を咲かせる。だが今日はそれほど無駄話をせずにお店を辞し、吉祥寺へと向かう。本日「OLD/NEW SELECT BOOKSHOP 百年」(2008/09/25参照)の支店「一日」が同じ吉祥寺にオープンするのである。支店を出すのはスゴいことだが、それも同じ町に出すというのはさらにスゴいことである。いったいどんな風なお店で、「百年」とはどんな違いを見せてくれるのだろうか?と期待しながらお店の前に着くと、開店の挨拶が書かれた立看板は置かれているが、ドアはぴったりと閉ざされている。
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看板の右上で風にはためく急遽貼付けられた用紙に目を凝らすと『15:00に開店します』とあるではないか。正午オープンのはずだったのに…何かトラブルでもあったのだろうか…今は午後十二時三十分。ちょっと後二時間半も炎暑の吉祥寺で待機するわけにはいかぬので、今日のところは残念ながら退散することに決める。しかしこのまま帰るのは余りに寂しいので、駅南側の「古本センター」(2017/03/06参照)に立ち寄ることにする。この時間の店内は、なんだかとても静かで密やかである。また何処かに素敵な古書でも潜んでいないかと、帳場近くの棚や棚脇棚を見た後に、帳場前の通路棚端に新設された最近入荷本棚下段に目が行くと、ぬぉっ!岩谷書店の江戸川乱歩監修寶石選書「長編讀切 刺青殺人事件/高木彬光」がセロファン袋に入れられ、なよっと面陳されているではないか!しかも値段は二千円!そっと手にして袋から取り出しパラパラと見てみるが、別に瑕疵はない。再版で乱歩の「再版を祝す」が追加されているものだが、二千円!うぅむ、時間通りに「一日」が開いていたら、果たしてこちらに顔を出したかどうか…とにかくこの偶然の流れから生まれた、素晴らしい出会いを喜び、ニヤニヤと購入する。無論どひゃっほうである。
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夜は駒込にて南陀楼綾繁氏と落ち合い、お互いの未来や一箱の未来や出版業界の未来について、忌憚ない意見をぶつけ合う。あぁ〜酔っ払った。
posted by tokusan at 21:57| Comment(10) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「一日」、絶対今日行くだろうと思いましたが(笑)、よくこの暑さの中を。
そして結果オーライというやつですね。
Posted by 北原尚彦 at 2017年08月09日 23:49
古ツア様、暑い中、当方もウロウロしています、当地では。再版に加えて、当方が確認している中では、三版もあります。初版も含めて、探しがいがあります。
Posted by 広島桜 at 2017年08月10日 18:57
北原尚彦様。北原さんの思考の一部を、私の行動予測が占めているのかと思うと、とても光栄であります。お返しと言っては何ですが、今後も案件探しに精を出したいと思います!
Posted by 古ツア at 2017年08月11日 18:12
広島桜様、三版も!だが、すべての班を集める必要はないのでは…私はこの手元の再版だけで充分です!ところで「刺青殺人事件」は『しせいさつじんじけん』なのでしょうか?『いれずみさつじんじけん』なのでしょうか?Wikiだと『しせい』ですが、本文は『いれずみ』となっています…。
Posted by 古ツア at 2017年08月11日 18:15
古ツア様。刺青殺人事件、ご入手おめでとうございます。うらやましい限りです。
私は今日は竜ヶ崎古書モールと公津の杜のほんだらけを探索してきましたが、特段めぼしいものはなく、不完全燃焼気味です。
ところで、刺青は『しせい』と読むと思います。高木先生は『いれずみ』は刑罰を意味するものであり、『刺青』は芸術だから『しせい』と読むべきだみたいなことを何かの作品に書いていたような記憶があるようなないような…。不確かですみません。
Posted by 縦溝狭史 at 2017年08月12日 00:40
古ツア様、すでに、縦溝様が書かれているようなことだと思います。確かに、「刺青」(いれずみ)ですが、一般に流布しているのは「しせい」。探偵も「かみづ」か「かみつ」か、この頃のものには、両方が掲載されているようです。これ一作で、高木彬光氏は名を残しました。版が重なっていくと、背の文字の位置がだんだん上にあがっているのが気になる点です。また、発行(初版)を刷りすぎたためか、挿絵が鮮明でなくなっていったので(発行分で鮮明なものとまったくつぶれたものがあります)、そこで、再版を印刷、挿絵が鮮明になっています。三版はさらに鮮明です。どのくらい発行されたのか、不明ですが、相当刷られたのでしょうか。
Posted by 広島桜 at 2017年08月12日 07:17
縦溝狭史様。ご教授ありがとうございます!やはり『しせい』が」正解のようですね。この本、色々さらに不思議なことがあるのですが、それは続いての広島桜さんへのコメントにて。
Posted by 古ツア at 2017年08月13日 10:44
広島桜様。この本、見れば見るほど不思議なところが多々あります。まず神津恭介の読み方ですが『かみづ』でも『かみつ』でもなく、徹底的に『かうづ』となっています。さらには奥付のある最終ページが、他より一回り小さく、しかも前ページが『102』ページなのに、奥付ページは『106』となっているのです(ちなみに本文は欠落しておらず、ちゃんとつながっています)。…もしかしたら、余った初版本の最終ページだけを切り取り、新たに再版奥付を印刷したものを貼付けているのではないでしょうか…。
Posted by 古ツア at 2017年08月13日 10:51
古ツア様、長年の謎が解けました。最終は確かにそのように考えられます。なぜ短いか・・・、再版のページも含ませたのでしょうか、増ページは。そうですね、このページと奥付けは追加するわけですから。他はそのまま印刷を重ねる・・・、素晴らしい展開ですね。
Posted by 広島桜 at 2017年08月13日 19:22
広島桜様。とにかく様々な謎が多い本です。でも再版とは言えオリジナルで初稿の「刺青殺人事件」が読めたのは幸せでした。
Posted by 古ツア at 2017年08月14日 17:12
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