2017年08月13日

8/13東京・新宿 花園神社骨董市

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午前七時前の新宿駅東口駅頭は、爽やかな朝の光に包まれながらも、どこか饐えた匂いを漂わせ、夜を街で明かした疲れた顔の人たちが、数少なく帰路に着いている。鳩が路上にゴミを漁り、『靖国通り』にはタクシーを捕まえるために、間隔を置いて手を挙げる人々が目に留まる。ようやく長い夜が終りを告げ、朝に入れ替わり、新たな一日が始まろうとしているのだ。そんな街中をヒタヒタと影のように歩き、『靖国通り』沿いの『新宿五丁目交差点』が目前に近づいた、ビルの谷間の『花園神社』参道前に立つ。その狭い入口両脇には『骨董市』の幟が、頼もしくはためいている。薄暗い参道に踏み込むと、すぐに両側に骨董露店が並び始める。だが、午前六時からのスタートなのに、まだ準備中のお店が四分の一ほど見受けられる。骨董市には、なるべく開始時間に駆け付けるのが良いそうである(もしくはお店の常連で可能なら、もっと早く準備時間中から顔を出し、品定めが行えることも…)。だが余りに早過ぎるとお店が始まっていないことも多いので、早く来て、なるべく長く市に腰を据えて、次第に開店して行くお店も徹底的にチェックするのが、効率の良いパトロール方法かもしれない…(もちろん達人や常連さんは、お店の市での大体の開店時間を熟知しているのだろう)。おっ!早速入って数歩の右手に、紙物&古本を二十ほどのダンボール箱に収めたお店があるではないか!箱横のテントの下では、常連さんたちが車座になり、絵葉書や手紙の念入りな品定めを進行させている。シートの上に上がり込んで、色紙・和本・漫画雑誌・手紙・教科書・古写真・地図・雑誌・古本などなどの箱を、すぐに群れよる蚊を警戒しながら、丁寧に漁って行く。むぅ、本当だ。早いと結構良いものが出て来るものだ。そんな風に胸をトキめかせながら、映画ポスターが重なり寝そべる長テーブルを回り込み、端に置かれたダンボールも覗き込んで行くと、常連さんのひとりが近寄り「その辺のは、もう箱ごと買い手がついてるものですよ」と優しく諭してくれた…すげぇ、箱買いか…。結局三冊を手にして、誰が店主か分からぬのだが、「これ、お幾らでしょうか?」と車座に声をかけ、奥の人に手渡す。するとみんなで相談しながら「千円くらいか?」と値付。と言うわけで、誠文堂「子供の科學 昭和六年五月号」龍河洞保存會「天の降り石」(昭和二十二年発行の高知県の鍾乳洞『龍河洞』を紹介する小冊子。平面図・洞内写真・探勝案内・洞内の生物&水質研究など、洞窟大好き人にはたまらない一冊!)日本週報社 週報文庫「ヂーキル博士とハイド氏/ステイブンソン著 田中宏明譯」(今日一番の収穫。昭和二十三年刊の、文庫サイズ横開き本。表紙には週報社社長からの贈呈印あり。口絵グラビアは野口久光画!この文庫は巻末広告を見ると、他に七冊が確認出来る)を購入する。すでに役目を果たした開放的な気分になり、石畳の脇参道を抜け出し、本社前のメインの明るい参道に抜け出る。露店は全部で三十ほどであろうか。その中のご婦人の出されている平台に、古い大正時代の医学雑誌が一冊500円で売られているのを発見する。パラパラ捲ると、田中香涯がどの号にも激しく寄稿している。何か他に面白い人は書いていないかと、目次をひたすら確認して行くと、何冊目かで小酒井不木の『醫学に関する初版本』という記事にたどり着いたので、喜んで購入することに決める。醫文藝社「醫文學 第十一號」を購入。満足して参道を抜け出すと、午前八時の新宿は、先ほどまでの疲弊した物憂げな感じは何処へやら、いつの間にか激しく運動を開始していた。ビルに運び込まれる物流、町に流れ込む働きに出て来た人々、ビル下にとぐろを巻く謎の行列。動き始めた街路を後にして、驚くほど空いた電車で家へと戻る。
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posted by tokusan at 10:37| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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