そのまま新宿に出て、すっかり観光地化している歌舞伎町の、ゴジラがビルの屋上に覆い被さっている『TOHOシネマズ』で待ち合わせ。すぐに「たけうま書房」さんと出会い、そこに自転車で駆け付けた「古書現世」(2009/04/04参照)向井氏と合流。今年最後の「たけうま会」(ただ単に「たけうま書房」さんのコーディネイトにより、古本屋さんと肩肘張らずにお酒を飲む集まり)は、向井氏をゲストに迎え、同時に氏のホームグラウンドたる歌舞伎町で飲んだくれることになったのである。まず最初に連れ込まれたのは、『TOHOシネマズ』すぐ横の猥雑な脇道に連なった一軒、名前のないお寿司屋さんである。何と一貫十円のお寿司が存在する、いつの間に過去へと遡るタイムトンネルを潜ってしまったんだ!というお店なのである。客同士の背中がぶつかり合いそうな狭い立食の店内で、お寿司をつまみながらまずは一杯。実はたけうまさんと向井さんは、飲むのが初めてということを知り、ちょっと驚く。接点がありそうでなさそうな二人なのである(その昔「あいおい古本市」(2011/03/26参照)で、たけうまさんが「古本屋になりたいんですが…」と質問し「止めといた方がいいよ」と言われたことはあるらしい…)。お寿司を五・六貫食べ、一人頭千円で精算し、続いて裏側のラブホテル街に向かい、ラブホテルを改造した謎の激安居酒屋「アルプス」に連れ込まれる。

お店の外壁に貼り出された、ビール・サワー・ハイボール100円のポスターに笑いつつ、白木とプラ板の内装で仕上げられた永遠の仮店舗的店内で、酔いを深めながら様々な古本屋話を拝聴する。というわけで、只今盛大に酔っぱらい中なので、そんなに深く記述出来ないのが、誠に残念である。覚えているのは、今月13日から始まる「早稲田青空古本祭」の現世の本は、全品新ネタであることと、奥に良い黒い本が仕舞いっ放しであること(これは近日中に見に行くつもり)。たけうまさんは神保町の古書会館に行くと入口で緊張マックスになってしまうが、向井さんも神奈川の古書組合に行くと同様に緊張してしまうこと。後は新書サイズ本を主にネットで販売しているたけうまさんが、書名はまったく覚えていないが高値の和物ミステリの古い本を棚に並べていること(これは近日中に書名を追求し、食指の動く本だったら買わせてもらうつもり)などである。いやぁ、とてもとても楽しかったです。たけうまさんには、楽しい古本屋をたくさん紹介していただき、今年一年誠にお世話になりました。向井さんには、今月19日の「みちくさ市」で今年最後のお世話になります!古本屋さん、バンザイ!

ありそうでなさそうなツーショット。それでも今宵、何かの強い絆が結ばれたことは確かである…。