2017年11月07日

11/7お店と家に古本が届いていた。

今日は東小金井の南南西にある谷、野川沿いの『武蔵野公園』近くに流れ着く。その名の通り、武蔵野の面影を色濃くどころか、そのまま保護したような広大な一帯に目を瞠り、暖かな黄金色の秋の雑木林に、心がついついしゅるしゅる解けてしまう…。だが、そんな楽園から脱出するように、キツい坂道を上って街中に帰還し、電車に乗って西荻窪へ向かう。「盛林堂書房」(2012/01/06参照)で「神田古本まつり」の成果を聞きながら、先月分の「フォニャルフ」売り上げを受け取りつつ、お仕事の打ち合わせをいくつか。帰り際「そう言えば北原さんから本を預かってないですか?」と聞くと、すっかり忘れていた小野氏が、奥の棚から持ち重りのする角封筒を取り出してくれた。その表には『物々交換のブツです。版元にご注目下さい。北原』と書かれている。…話の始まりは、先日「古本案内処」(2015/08/23参照)で手に入れた、春陽堂の日本小説文庫を何らかの理由で一部だけ改装したと思われる、叢文社の日本小説文庫である(2017/10/11参照)。略称“SBS”とあるこの謎の文庫本をブログで目にした、作家&ホームズ研究家&文庫本スキーの北原尚彦氏が「未知の文庫本なのでダブっているのなら一冊譲ってくれないか」と連絡をいただいたのである。この時以前買った「近代異妖篇(綺堂讀物集)/岡本綺堂」は、すでにいつかの古本市で販売してしまっていたのだが、読了しているし、こういうナゾの本は蒐集家&研究家の手元に嫁いだ方が幸せであろうと、即座にお譲りすることを決めたのである。だがただ譲り渡すのは味気ないので、北原蔵書の中から氏が選んだ推薦の本とのトレードをお願いしてみると、氏は面白がり快く承諾してくれたのであった。それから三週間…氏が足指を骨折していたり、神田古本まつりがあったりと、様々な障害をようやく乗り越え、本日無事に交換が成立したのである。なんだろうとワクワクしながら袋から取り出すと、予想外の箱入り本である。
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自警文庫24「捕物小説に学ぶ江戸用語の基礎知識」というA5版・ハードカバー・全415ページの本であった…そういえば版元に注目とあったな…自警文庫?…いやいや、このサイズで文庫を名乗るのは、どうかと思うぞ。もしかしたら北原さん、ホームズが江戸時代に出現して半七と知恵比べしてまうパスティーシュでも書こうと思って、資料としてのこの本をネットで見つけ、『文庫だしラッキー!』と思って注文したら、こんなデカイ本だった…というような経緯があったのではないだろうか。あぁ、警察関連の本なので、序文には『この文庫をそばにおいて目をとおされ、巡回連絡や聞き込みなどのときに活用されると、きっと街の人からも一目おかれ、おそらく良い成果が得られるものと思います』などと書かれている。やだなぁ、聞き込みの時に『科人』とか『主殺し』とか江戸用語をちょいちょい挟んでくる刑事…。何はともあれ北原さん、ありがとうございました!

その後家に帰り着くと、待ちに待った古本が逆に待ち構えてくれていた。先日の「くまねこ堂」さん(2017/10/29参照)訪問時に、値段調べになっていた一冊である。値段確定後交渉が成立し、本日無事に手元に届いたのである。ポプラ社「黒バラの怪人/武田武彦」(裸本)五千円也!倉庫内を探索していたとき、海野十三全集の間にしれッと挟まっていたのを発見。裸本だが状態はまずまずで、このチャンスを逃したら当分出会えないと覚悟を決めて、何が何でも手に入れて読みたかった残忍系少女探偵小説なのである。挿絵は北田卓史!あぁ、早く読まなければ!「くまねこ堂」さん。ありがとうございました!
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posted by tokusan at 20:36| Comment(2) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
小山さん→わたし行きの本のことも忘れてました>盛林堂さん(;^_^。
「文庫なんですが」と言ったら「えーと、これかな」と言って出してきてくれました。
叢文社の日本小説文庫、たまりません。しかもこれ同タイトルで色違いがあると判明して、発狂しそうです。
マニアック文庫、奥が深すぎます。
ともあれ、ありがとうございました>物々交換。
こちらからの本も「どれがいいかなあ」と考えるの、楽しかったです。
Posted by 北原尚彦 at 2017年11月08日 22:23
古本のトレード、とても楽しいですね。何が来るのか本当にわからず、期待に胸躍らせ待つ日々が、狂おしくてたまりません。また機会あればよろしくお願いいたします!
Posted by 古ツア at 2017年11月11日 23:22
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