2017年11月22日

11/22本を開けたら二笑亭!

午前中に銀行と区役所で野暮用をこなし、そのまま『青梅街道』を歩いて、午前十一時半の「ささま書店」(2008/08/23参照)開店を目指していると、道すがらのガソリンスタンドから男が飛び出し、こちらに向かって陽気に手を降り始めた。なんだ、「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の天野氏ではないか。珍しいところで会うものだ。どうやら愛車ボンゴの給油中に、眉根に皺を寄せ下を向いて歩く私を見つけたらしい。うむ、そうだ。下を向いている場合ではないのだ。と天野氏に思わぬ力をいただき、テクテク歩いて荻窪着。ところが早く着きすぎて「ささま」はまだ開いていないので(常連の古本修羅が歩道で待機中)、そのままお店を素通りして「岩森書店」(2008/08/23参照)の店頭台をまずは眺める。文春文庫「私の東京物語/吉行淳之介」を108円で購入し、すぐさま「ささま」にとんぼ返りする。おっ、時間通りに開いている。そして店頭店内ともにすでに古本を抱え込んだ修羅たちの姿が…全く持って素晴らしい…。ややっ、店頭棚に建築家・谷口吉郎の本が挿さっているじゃないか。早速来た甲斐があったなと首肯し、本を手に取り開いてみる、すると口絵ページには予想外の、狂建築『二笑亭』の写真が掲載されているではないか!なんだこれは!と慌てふためき本文をに目を移すと、その冒頭三十ページが「二笑亭綺譚」作者の式場隆三郎に誘われ、建築家の端くれとして「二笑亭」を見学に行く話なのである。谷口の「二笑亭」についての文章は、平成元年に求龍堂から出た「二笑亭綺譚 五〇年目の再訪記」に『二笑亭の建築』として収録されているが、それより遥かに長い詳細な見聞記と考察!毎度ありがとう「ささま書店」!ともはや何百回目となるであろうお礼を心中で唱え、他に二冊を選んで帳場にて精算。読売新書「意匠日記/谷口吉郎」河出ペーパーブックス「日本迷信集/今野圓輔」講談社文庫「人形の家/マーシュア・ミラー」を計315円で購入する。
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午後は下北沢でまたもや野暮用をこなした後、そのまま「ほん吉」(2008/06/01)に雪崩れ込む。店頭棚から三笠書房「マダム/織田昭子」(カバー破れ。織田作之助の内縁の妻による男女関係と新宿のバーと文壇の話)を100円で購入し、このまま少し月曜の『せんべろ古本ツアー』よろしく、沿線の古本屋を巡って行くかと決めて(ただしアルコールはなし!)、小田急線下りに乗り込む。最初は経堂で下車して、空模様がズンズン怪しくなる中を愛しの「大河堂書店」(2009/03/26参照)へ。先客と入れ替わるようにして店頭棚右翼ゾーンに入り込むと、春鳥會「みづゑ 日本洋畫沿革號 二十周年紀念特輯」を見つける。状態良好な大正十四年刊の第二四七号で、表紙は黒田清輝の女性クロッキー…何でこんなものが店頭に!と悩ましく悶えつつ値段を見ると210円なのである。おぉ、この一冊に大正時代に早くも振り返られた、日本洋画界黎明期から現在(大正十四年)までの軌跡がまとめられているのかっ!と感激しながら購入する。そして外に出るとまだ午後四時半なのだが、すでに薄闇のベールが掛かり、冷たい雨がポツリポツリと落ち始めているではないか。負けるもんか!とポケットに手を突っ込み、商店街から抜け出すように東に向かって歩き始める。しとどに濡れながらも歩いて歩いて豪徳寺の「靖文堂書店」(2011/09/06参照)。ここでは左側通路で、ちょっと高いが今まで一度も出会ったことのない、昭和十五年刊の『世界秘境探檢叢書』に魂を奪われてしまう。なんと素敵な血湧き肉踊るネーミング…千円としっかりしたお値段だが、買ってしまおう…。博文館 世界探檢叢書「中央アジア熱沙行/春日俊吉」池田書店「尾崎一雄作品集 第二巻」(函ナシ)を計1100円で購入し、冷たい雨と夜に寂しさを覚えてしまったので、そそくさと家へ戻ることにする。
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posted by tokusan at 20:39| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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