そんなことがありながら駅から一キロ強歩くと、『国道17号』と合流する『東町二丁目交差点』手前に、そのお店は存在していた。“本”の大きな文字看板があり、店頭はメタリックなパネルで覆われ、いかがわしい幟が林立し、ウィンドウには美女たちのポスターがズラ〜っ…何処からどう見ても完全無欠のアダルト店である。
だが、邪な心をもたげずに、ただひたすらに清く正しい古本を望んで自動ドアを潜れば、すぐに右手には予想外の光景が展開し始めるのだ。左手は美少女コミックゾーン、正面には横向きのレジカウンターの奥に、ピンク色のアダルト空間が悩ましく広がっている。そして右手の結構広いフロアが、古着を並べた奥の壁棚に、アダルト空間にそぐわぬ古本を並べているのだ。…なんだこれは…。近付くと、セレクト文庫・美術系写真集(中山岩太までも)・性風俗・都市風俗・日本文学・海外文学・幻想文学・映画・カルト&モンド映画・食・サブカルチャー・アンダーグラウンド&カウンターカルチャー・思想・カルトコミック・漫画評論・田中小実昌・平岡正明・竹中労・松下竜一・水木しげる・杉浦茂・町田康・杉浦日向子・VHSビデオ…濃いなぁ、癖が強いなぁ…何と山田風太郎箱まであるじゃないか。お店とのギャップに魂消つつ、気になる本を手にしてみるが、良書や珍書にはしっかりとプレミア値が付けられている。他にも入口正面には、「ガロ」・漫画研究・音楽・野球・格闘技の集まるラック台が置かれているのだが、果たしてここを訪れる人の何割が、これらのゾーンに興味を示しているのだろうか。しかしこの感じとラインナップ、南与野にある「アワーズ」(2015/02/24参照)に酷似しているではないか。何か密接な関係でもあるのだろうかと頭を捻りながら、北宋社「幽霊の森」を購入する。
帰りに大宮で途中下車し、「橋本書店」に立ち寄る。旺文社文庫「掌の小説/川端康成」太田出版「伝言ダイヤル殺人事件/そのまんま東」読売新聞社「欽ちゃん つんのめり/萩本欽一」を計380円で購入する。


なんだか、今日紹介しているお店って、「アワーズ」が再出発したお店のように思えてならないのですけど。