大部屋2は四本通路のうち二本の極狭通路手前以外は、ダンボールが詰め込まれて進入出来ない状況。三方を棚に囲まれた小部屋は、通路にやはりうずたかくダンボールが積み上がった状態である。初っ端から絶望的な状態であるのが丸分かりだが、今日の教授はとっても一味違っていた。「いや、もうここにあるってことは使わないってことですから、ほとんど手放そうと思っています。ダンボールは別ですが、棚に入ってる本や雑誌は、もう小野さんに任せて、バンバン処分して行こうかと…」。それならば話は早い!いらないものから結束して運び出し、場所を作り部屋を減らし、どんどん作業効率を上げて行くことが出来るのだ。遅刻して登場した小野氏もその話を聞き、早速スピード早めの長期的な整理方針を組み立てて行く。というわけで今日の作業は、まず大部屋1の手前棚の本を出し、結束していつでも運び出せるようにすること。そうと決まれば、即座にあの年末年始のチームワークが復活し、テキパキと静かなトランクルームで作業は粛々と進行して行く。本を私が出し、教授が選別し、小野氏が縛る。廊下も大胆に使用して、あっという間に本の山やダンボールの山や解体された本棚が流れ出す。
おぉ、極狭通路しかなかった大部屋に、トランクルーム本来の余裕あるスペースが生まれたではないか。途中、教授からシューアイスを椀子そばのように四個差し入れられ、早食いしながら目を白黒させる。棚脇の下部に置かれた箱を開けると『香山滋全集』。すると教授が「その箱、いっつもなんだろう?って忘れていて開けてみるんですが、『香山滋全集』が出て来るんですよ。ちょうどいい。京都に送っちゃいます」と廊下へ運び出し、むりやりダンボールに詰め込んで行く。
そんな風に、いつの間にかフロア全体のエアコンが停止していた蒸し暑い中で、四時間弱作業する。どうにか来月中には、一部屋減らすところまで漕ぎ着けようと決め、今日のところは終了。大変おつかれさまでした。そしてもはや教授書棚整理作業の恒例ともなっている、重労働に比例した古本を鉄面皮にいただくことにする。選んだ三冊は、日本公論社「紙魚殺人事件/バアナビイ・ロツス作 伴大矩譯」ポプラ社世界推理小説文庫「怪盗ファントマ/南洋一郎」王さまのアイデア事業部「王さまのアイディア NO.7」(その昔日本全国に展開していた、便利グッズ・珍グッズを販売するお店のカタログである。『こんな本出てたんだ!』と驚くとともに『何で教授こんなのを大事に本棚に並べてるんですか!』という気持ちが湧き上がる…)を拝受する。小野氏に「「ファントマ」と「ジゴマ」、本当に好きだねぇ〜」と言われる。すると教授が「「ファントマ」は「消えた鬼刑事」が共本なんですよ」「えっ?あれも『ファントマ』なんですか?」「そうです。元々「幻の怪盗」だったのが、何故か「消えた鬼刑事」に題名を変えたんです。だからこれは第二作というわけです」「なにぃ〜!」…だがすでに「鬼刑事」は、撤収荷物を詰め込んだ奥深く隠れてしまっていた…じ、次回の楽しみにとっておきます…。
役得の三冊。「紙魚殺人事件」のアールデコ風な装画に俄然痺れてしまう。教授、教授、ありがとうございます!

