2018年07月16日

7/16歯車!

朝からひとつの原稿に取りかかるが、頭の先から足の先までを包み込む、ぬるま湯のような空気に集中力を根こそぎ奪われる。仕方ないので家を出て、月曜定例となっている午前十一時半の「ささま書店」(2008/08/23参照)に古本を買いに行く。時間ピッタリに来たはずなのに、すでに三人のお客さんが店頭に食らいついている。ここも地上のあらゆる場所と同様、暑さがわだかまっているが、左脇の駐車場へのアプローチだけは、ちょっとだけ涼しい風が吹き抜けて行く。ボ〜ッとする頭で古本の背を追いかける。その“ボ〜ッ”に反比例して、たちまち腕の中に六冊の本が飛び込んで来る。サンリオSF文庫「フレドリック・ブラウン傑作集/ロバート・ブロック編 星新一訳」ハヤカワポケミス「シャーロック・ホームズの復活/アーサー・コナン・ドイル」「赤い家の秘密/A・A・ミルン」ユニコンカラー双書「マッチラベル/下島正夫」春秋社「彷徨と順禮/賀川豊彦」彌生書房「萩原恭次郎詩集」を計648円で購入する。「フレドリック・ブラウン傑作集」には栞代わりなのだろうが、アイドル時代の榊原郁恵が樹の影からお茶目に顔を出す連続写真のポジフィルムが挟まっていた。何かの景品だったのだろうか?
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そして午後も原稿書きがままならぬので、高円寺に向かって、濃い墨のような影をアスファルトに落としながら、ヒタヒタ外出。『座・高円寺』で開催中の「本の楽市」(2010/07/18参照)を覗き込む(7/24(月)まで開催)。薄暗いロビーに二列に古本島が続き、絵本や児童書や創作カルチャーを多く並べている。しゃがんで絵本箱を漁っていると、本日の店番担当である「丸三文庫」さん(2010/05/31参照)に「こんな暑い中、来て下さってありがとうございます!」と声をかけられる。いや、この暑い中、古本販売ご苦労さまです。長岡歯車製作所「歯車文化誌(補足版)/内山弘」福音館書店 こどものとも「きりのカーニバル/たむらしげる さく」「なおみ/谷川俊太郎作・沢渡朔写真」を計600円で購入する。丸三さんから買った「歯車文化誌」が面白い。長岡の、超高精度歯車・非円形歯車・円錐歯車・球形歯車などを作っている歯車会社が出した、歯車が使われた道具や装置を集めた全62ページのミニ本である。時計塔!青銅の魔人!がんばれロボコン!人造人間キカイダー!芥川龍之介の『歯車』!などと、ついつい傍流系まで妄想してしまう歯車好きには欠かせない一冊である。おっ、中国の『指南車』(引き車車上の仙人の人形が、歯車仕掛けでいつも南を指すよう工夫されている)も載ってるじゃないか。だが説明には『どんな歯車仕掛けだったかが技術史上の問題点で、未だ解決をみない』と書かれており、その秘密は謎のままである。
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表紙写真がまさにその指南車で、これは版元である『長岡歯車製作所』が復元製作したもの。仙人像が常に南を向く仕組みは、いったいどうなっているのだろうか?
posted by tokusan at 17:33| Comment(2) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
猛暑の中、連日のレポートに頭が下がります。高円寺大均一祭初日を覗きに行っただけで連休中はギブアップです。
「指南車」は諸星大二郎の「孔子暗黒伝」に出てきたのを覚えているのですが、非科学的というか伝説の中の話にすぎないと思っていましたので、まさか復元模型が作られているとは思いませんでした。
なるべく「イレギュラーズ」の作業なども涼しくなってからにして、熱中症に御用心ください。
Posted by 古本極道 at 2018年07月16日 22:05
お気遣いありがとうございます!ところで『指南車』ですが、本ページにも写真が二枚掲載されているのですが、どちらもやはり復元されたものでした。本当にどんな仕組みで、南をひたすら指し続けていたのでしょうか?また後半には指南車と対で用いられたという『記里鼓車』というのも載っています。こちらは一定の距離を進むと、取り付けられた人形が派手に太鼓を叩く仕組みとのこと。
Posted by 古ツア at 2018年07月17日 17:01
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