
昨日は西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)の「フォニャルフ」棚にストトトトンと補充する。店主の小野氏と打ち合わせをしたかったのだが、不在で会えず。結局この日は補充だけに終わる。明けて本日、午後二時過ぎに昨日来たばかりの西荻窪に流れ着いてしまう。いつものように体力ゲージはピコピコ点滅状態…だが、最後の力を振り絞り、先ほど見かけたお店に白昼の幽鬼のように接近して行く。駅からは北口に出て『西荻北銀座』の西側歩道を北進。アーケードを抜け、カツ丼の美味しい赤い日除けの『坂本屋』前も通過し、プラタナスの生い茂る坂を下って三本目の脇道を西に入る。するとすぐに、小さく瀟酒で控え目なアンティークショップが目に入るだろう。その店頭に並ぶ足の長い木箱の一つに、一冊五十円の古本が十冊強並んでいるのだ。『地獄に仏』!『渡りに舟』!と二冊をつかんでドアを開ける。小さな薄暗い店内に目が慣れ始めると、アンティーク&雑貨たちに混ざり、右奥に岩波文庫棚・ちくま文庫棚・美術骨董関連棚もあるのが目に留まる。冊数は多くはないが、ちゃんと店内で古本を扱ってくれているのが、無性に嬉しくてたまらない。しかしそこから本は抜かずに、奥の小部屋のような帳場に入り込み、橋本大二郎風紳士に精算をお願いする。「二冊で百円ですね。お包みしますか?……うわっ!本が熱い!熱いじゃないですか!」「この日射しだから仕方ありませんよ。あ、このままで大丈夫です」「そんな暑さの中、お買い上げありがとうございました」などと楽しい会話を交わす。新潮文庫「楢山節考/深沢七郎」扶桑社ミステリー「ジキルとハイド/ロバート・ルイス・スティーヴンソン」を購入する。駅への道すがらの「TIMELESS」(2012/06/30参照)が開いていたので、店内で少し涼んで英気を養いながら、アスペクト「電子頭脳映画史/聖咲奇」を1500円で購入する。そして明日はいよいよ古本乙女カラサキ・アユミさんとのトークショー。よし、彼女に今回プレゼントする古本は、アレに決めたぞ!