2018年07月22日

7/21神保町でいろいろあった。

すでに昨日のことである。早い昼餉を摂ってから、午後二時スタートの古書会館でのトークに合わせて家を出る。神保町をすっかりパトロールしてから会場入りしてやろうと、古本を買う気満々で街を縦横に経巡るが、珍しく何も買えずに終わる。途中「一誠堂書店」(2010/03/27参照)前を通過すると、「小山さん!」と大きな声を掛けられ振り向くと、ニコニコ笑った番頭さんの姿が。一瞬、たくさんの行き交う人々とともに、店前を瞬間通り過ぎただけなのに…この方は本当に私を見つける名人である。そんな“鷹の目”を持つ番頭さんと言葉を交わし、『東京古書会館』(2010/03/10参照)へ。まずは二階の『情報コーナー』で開催中の『古本乙女の日々是これくしょん展』を覗くと、昭和エロ本とカストリ雑誌といかがわしい&どぎつい紙物と特殊一点紙物と古本屋がおしくらまんじゅうをしている、混沌の世界であった。人間の欲望は、様々な形で花開くのだなと、感心することしきり。会館の七階で開かれたトークは、本日の主人公であるガチガチガチガチの古本コレクターこと“古本乙女”カラサキ・アユミさんが、非常に楽しそうに終始喋ってくれたので、実にやり易く、掛け合いをするこちらも乗せられて走り抜けた二時間であった。途中和み過ぎて、段々と九州弁を頻発するカラサキさんがとってもプリティー。ちなみに彼女にトーク中にプレゼントした本は、清水正二郎本人の削除指定本(2018/04/26参照)であった。無事に大役を果たし、さて、まだ古本を買っていないので地下の『趣味展』でも覗いて行くかと、楽屋で秘かに画策するが、なんとそのまま打ち上げに突入することになってしまった。『明大通り』と『靖国通り』をつなぐ『富士見坂』に面した居酒屋でビールとハイボールに古本屋話をしながら塗れる。だが二時間弱経過したところで、仕事の緊急の直しを依頼する電話がかかって来てしまったので、泣く泣く途中離脱する。表に出ると時刻は午後七時で、空がまだ青く明るい。急いで帰らなければならぬのだが、何処かで古本が買えないものだろうかとも考えてしまう。そんな欲望に血走る目に飛び込んで来たのは、やまだ紫が書いた猫看板が輝く「虔十書林」(2010/01/27参照)!すでに閉店準備に取りかかろうとするところだが、慌てて飛び込み横長の店内を探索する。すると目に留まったのは、右奥の宮沢賢治棚に並んでいた、中央公論社ともだち文庫「どんぐりと山猫/宮澤賢治」である。棚から引き出した瞬間に、とてつもない違和感を覚える…何でこんなに大きいんだ!私の知っている“ともだち文庫”は、B6版。だがこの昭和十七年初版本は、A5サイズじゃないか!背が少し傷んでいるが、即購入することを決意し、先ほどいただいたトークのギャラで2700円を支払う。するとダンナさんから突然「古本屋の方ですか?」と声をかけられる。「いえいえい違います。ただ今日は古書会館に呼ばれてトークをしていました」と言うと、レジの奥さんとともに「あ〜っ!」と何となく納得の歓声が上がる。どうやら何処かで見たことはあるが、正体がまるで分からなかったらしい。「では猫の袋に入れますね」「イラスト、やまだ紫さんですよね」「そうよ。61で亡くなっちゃって…本当早過ぎるわよね」などと会話を交わす。
donguri2.jpg
家に帰って、持っていた昭和二十一年二刷の「どんぐりと山猫」と比べてみる。中尾涁の装画は同じだが、デザインも違うし、シリーズの通し番号も違っている。初版は『ともだち文庫11』だが二刷は『ともだち文庫1』である。
posted by tokusan at 07:11| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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