2018年07月24日

7/24古本屋ツアー・イン・教授トランクルーム【第三章】

午後一時前に、家の前の道路にキキッと盛林堂号が停まる…そう、このパターンは“盛林堂イレギュラーズ”としての出動である。向かうは新保博久教授のトランクルーム!前回に続き教授は不在だが、八月に上京予定なので、その時までに少しでも整理を進めておく心積もりなのである。だが、今日もトランクルームのフロアは灼熱である。盛林堂・小野氏がフロア内温度計に目をやると、三十四度!センサーでエアコンが唸り始めるが、ただ熱い空気をかき回しているだけである。活動限界は二〜三時間だろう。今日の予定はトランクルーム小の文庫を運び出し棚をずべて解体、そしてダンボールだらけの方のトランクルーム大の整理…とここまで進めたい。早速小部屋の床にあった本や棚にあった本を大部屋に逃がし、文庫を運び出し始め、小野氏がそれを結束して行く。
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※作業前のトランクルーム小。スッキリしているように見えるが、恐ろしいほど文庫本が二重にビッシリ詰まっている…。

途端に汗塗れになりながら、水分をこまめに補給し、途中にアイス休憩を挟み、それでも確実に早い限界に近づきながら、文庫束四十本を造り出し、棚を五本解体する。するともう午後三時になっている。まだもう少し大丈夫だろうと、大部屋の雪崩れているダンボール箱を多数小部屋に逃がし、右側に現れた文庫本の集合住宅…いや、増築に増築を重ねたような文庫本・九龍城の全貌を露にする。
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これらは旧新保邸の台所周りや、押入れに収納されていたケースである。これらをスパスパ抜き出し、小野氏が素早く結束する。だが三十分も続けたところ、「小山さん、ゴメン。これ戻して。もう縛る手が限界だ!」と文庫束五十五本を作ったところで作業を中止し、撤収作業に取りかかる。時刻は午後四時半…酷暑の中の古本&その他もろもろとの格闘は、やはり三時間が限界であった…。だが、エネルギーをすべて使い果たし、身体は疲労の極地に達しようとも、今日の収穫は掠め取らねばならない!トランクルーム大の壁棚に齧り付き、あかね書房 少年少女世界推理文学全集「魔女のかくれ家/ディクスン・カー」(扉セロファンには、教授の手によるインク消しで描かれた魔女の横顔が!)「マギル卿さいごの旅/クロフツ」盛光社ジュニア・ミステリ・ブックス「物体Xの恐怖/ジョン・キャンベル・Jr」の三冊を拝受する。教授に報告すると『むむむ、痛いところを突いてきますね。でも可愛がってやってください』と返って来る。教授、大事にします!その後はゼエハァ西荻窪に本を運び出し、本日のお務め終了となる。お疲れさまでしたぁ!
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そして家に帰ると、嬉しいヤフオク落札品が到着していた。表紙は黄色い布張りのオリジナルになってしまっているが、中身はちゃんと奥川書房「孔雀屏風/横溝正史」!昭和十七年出版の短篇集であるが、このタイトルから思わず想像してしまう捕物帳ではなく、探偵小説・奇妙な味の小説・防諜小説・戦意高揚ミステリーなど、1932〜1941に執筆した十編を収録しているのである。これが何とライバルゼロで三千円!姿形はちょっと異なるが、まさか手に入る日が来るとは!読める日が来るとは!これが俺の「孔雀屏風」!と小躍りする。『二千六百萬年』は、何と横溝のSF作品!少女探偵小説『ヴィナスの星』では、三津木俊助が荻窪に住んでいることが判明する。ウヒヒヒ、素敵だな。楽しいな。たちまち昼間の疲れが、何処かに霧散した気になる。
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posted by tokusan at 19:30| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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