2018年07月29日

7/29東京・平井 平井の本棚

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台風が過ぎ去った途端に全力で放射し始めた日射しを恨めしく思いながら、総武線に乗り込んで東へ。昨日順延となった花火大会が行われる隅田川を越え、両国・錦糸町・亀戸でたくさんの乗客を吐き出した後、旧中川を越えて下車。高架ホームから改札に下り北口に出ると、新し気なロータリーである。すぐに西に足を向けテクテク歩んで行くと、線路沿いの道が延び始めるコンクリ法面向かいのビルに、『本』の文字や、カラフルな本が描かれた看板が現れる。ここは昨日7/28に開店したばかりの、出来立てホヤホヤのお店である。内装を手掛けた、“古本屋建築界の安藤忠雄”中村敦夫氏からタレコミをいただいたのである。ピンクと黄色に塗り分けられた『本』とある標の横には、緑色の文庫木箱が四つ置かれている。安売文庫と絶版文庫の組み合わせに胸を軽くドキつかせながら、凝った造作の引戸をスライドさせて中に入ると、店頭箱同様緑の棚で構成された小さな統一感のある空間である。入口右側にはまず小さな棚があり、『文鳥文庫』(最大16ページの名作文特殊文庫)が並んでいる。続く右壁から奥壁にかけて八本の壁棚が設えられ、棚上には文学全集が積み上がり、棚最上段には100均単行本が横一線に並び、現代思想・ビジネス・社会・芸能・タレント・映画・歌舞伎・古書・文学・詩集・井上靖・三浦哲郎・庄野潤三・塚本邦雄・遠藤周作・小川国夫・辻邦生・中村真一郎・写真集などが続いて行く。とはいえ、まだ『値付前』ゾーンなどもあり、少し雑本的な並びを見せている。中央には背中合わせの緑の棚が二本あり、脇に南方熊楠粘菌手拭などを展示しながら、新書・美術大判本・文庫・自然・旅・エッセイ・エッセイコミック・料理・園芸などを揃えている。入口左横には児童文学と絵本が集まり、左壁棚には新刊書や南方熊楠&猫コーナーが設置されている。とここで、お久しぶりの「リコシェ」さんから声をかけられ、店主さんを紹介してもらう。長身痩身の女性店主は、何だかアニメ『名探偵ホームズ』のモリアーティー一味・スマイリーのような素敵な方である。アッ!良く見ると新刊書の棚の前には、独り出版社『共和国』の下平尾氏が本をディスプレイしているではないか。そんな風に知り合いと錯綜し、初めて来たお店で和やかな雰囲気になってしまったので、「リコシェ」さんに圧されまくり、勢いでオススメ本のポップを作成してしまう(店主さんから図らずもスマイリーを連想してしまったので、児童本のドイル「うしなわれた世界」とねずみの国のシャーロック・ホームズ「ベイジル」を推薦しております)。本は安値だが、棚造りは一部以外は、まだまだこれから固まって行く発展途上の模様。しかしお店造りと新刊&古本棚造りの楽しさに満ちあふれているのは確実なので、目を凝らせば良い本が買えそうである。出版芸術社「怪獣小説選集2 怪獣大戦争」(500円!)生活社「都市下層社會/西田長壽編」(『最暗黒の東京』『貧天地饑寒窟探檢記』『大阪名護町貧民社會の實況紀略』『東京府下貧民の眞況』を収録)を購入する。お店の左奥が帳場になっているのだが、黒塗りの木材で縁取られた畳敷きの上がり框があり、そこに置かれたカウンター代わりの、小さな飴色の古いミシン台がとてもとてもプリティーである。何はともあれ、開店おめでとうございます。地元らしきお客さんが「この辺り、本屋さんがないんで、すごく嬉しいです!」と力説しているのが、微笑ましく印象的であった。
posted by tokusan at 17:05| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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