2018年08月08日

8/8古本屋ツアー・イン・教授トランクルーム【第四章】

台風が接近中だが、“盛林堂・イレギュラーズ”として出動を余儀なくされる。イレギュラーズであるからにはボスである「盛林堂書房」(2012/01/06参照)小野氏とともに、都内某所のトランクルーム前。セキュリティの高い鉄扉がガチャリと開くと、そこには懐かしい新保博久教授の笑顔!上京のタイミングに合わせ、教授の飛石書庫でもあるトランクルームの整理を、少しでも進めるための、荒天の下の集合である。今日の作業は、教授がいつもの如く本の仕分けに専念し、小野氏は仕分け本と廃棄雑誌の結束、私が雑誌の運び出し&さらなる仕分けのための箱整理となる。と言うわけで、まずは大部屋2の積み上げられた箱の中から、雑誌をひたすら穿り返さねばならない。ダンボールをふんぬふんぬと移動させ、見やすいように固めて積み上げ、潜む雑誌を廊下に積み上げて行く(文芸雑誌類は意外に重いなぁ)。たちまち失われる体力とともに、廊下はいつものように物品で溢れ返る…何度見ても恐ろしい光景である。
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教授は、せっせと仕分けるとともに、性懲りもなくまだ京都に本を送るために、新たなダンボールを生み出している…や、山村美紗のノベルスなんて、もういらんでしょう!…などと心の中で突っ込みながら、新ダンボールと旧ダンボールを大部屋2に新たに積み上げて行く…。
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旧ダンボールは恐らく三部屋合わせて百箱近くあるのだろうが、資料や本や雑誌や雜物が、引越のドサクサで詰め込まれた状態なので、これはすべて開けてみて仕分けなければならないのである…こればっかりは、教授の上京頻度アップと根気強い作業に期待するしかない…ガンバレ、教授!
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※大部屋1で床に座り込みひたすら本を仕分ける教授。準備万端ジャージに着替え、午前十一から五時間程ぶっ続けで作業中。

そして結束された雑誌を、雨の中運び出すために、控え目に束を積み上げた台車の上に、展開ダンボールを広げて乗せる…何だか百科事典の列に変装した小林少年のような感じに…。
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一度西荻に廃棄雑誌を運び出し、戻ってからは結束作業と整理作業。午後四時半に作業を終了する。…三時間半だが、やはり本との格闘は重く濃密で、身体の芯にどっしりした疲労を残している。これで三部屋ともずいぶん余裕が出来、スペースを作るなどの雑用的仕事も少なくなって来たので(つまり古本屋的には後はひたすら本を運び出すだけ)、今後の作業の進行は、ひとえに教授の腕にかかっているわけである。教授は明日もここを訪れ、仕分けを進めるとのことである。果たしてこのシリーズは、いったい何章まで続いて行くのだろうか…。そんな本日の嬉しい収穫は、今は亡きミステリ古本屋「TRICK+TRAP」のブックカバー。以前いただいた物とは別バージョンで、こちらは、いしいひさいち描くシャーロック・ホームズがプリントされている。他には目をギラリと輝かせて、函ナシで背が赤いテープで補修された春秋社「Yの悲劇/バーナビイ・ロス」を強奪すると、教授が「「紙魚殺人事件」を抜かれてから(2018/06/22参照)、もう完全じゃなくなりました。いっそのことこっちも持って行って下さい」と笑いながら、ぶらっく選書の「Xの悲劇」「Zの悲劇」も手渡される。ありがたや〜ありがたや〜。
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「Yの悲劇」がやはり嬉しい。装幀は吉田貫三郎。この人の民藝チックなデザインワークに、本を手にする度に魅せられて行く。しかしその本がどれも高値なのは何故だろうか…。序文は江戸川亂歩で、冒頭近くの『私は今この翻譯のゲラ刷りを讀み終わったところなのだが、私の中の探偵小説の鬼が眞赤に興奮して踊り出してゐるのを感じる』の素敵で滑稽な一文が、物語への期待を俄然高みへと誘いまくる!
posted by tokusan at 17:55| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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