続いて小さな部屋に押し込めていた結束本の束を廊下に出し、さらに大部屋の棚の上に教授の手によるあやふやな結束後に置かれた雑誌束を下ろしまくって行く。
廊下に並べるといつもよりは少なめだが、全部を台車で車まで運び出すには、やはり三往復が必要な量である。チャチャチャッとすべてを二時間半ほどで済ませ、早々と撤収作業に入る。これで大部屋の棚以外の本はほとんど運び出したことになるので、次回からは、ダンボールに詰められた本を暴き、選別して後運び出しという行程に入ることになるだろう。だが、実は京都での教授の暮しに大きな変化が生じそうなので、それに合わせて今後の整理&運送計画も練り直しが必要となるのであろう、次回九月の教授上京時に、その打ち合わせを進めるつもりである…それにしても、昨年末からず〜〜〜っと、教授の蔵書整理をしている気がする…いや、気がするんじゃなくて、確実にしているのである。とても光栄で貴重な体験で楽しいのだが、まさかこんなにも長く深く関わることになるとは、夢にも思っていなかった。果たしてゴールは、いったいいつのことになるやら……。
そして本を台車に乗せ、車へと移して行く、最初は文庫本、次はハードカバーとノベルス、最後に雑誌類。だが、この最後の雑誌類が、軽い惨劇を巻き起こす。結束は緩いのだが、まぁちょっとの距離だ大丈夫だろうと、高を括ってガラゴロガラゴロ運んで行くと、振動により次第にバランスが崩れ始め、表に出て車まで後一歩のところで、哀れ崩壊してしまう…あぁ、やはり面倒くさがらずに、もう一度縛り直すべきであったか…。
そんな今回の労働を癒す合法的強奪本は盛光社ジュニア・ミステリ・ブックス「耳をすます家/メーベル・イーリー 深夜の外科病室/クェンティン・パトリック」である。いつも通り、教授に大感謝を!西荻窪に無事に本を運び出し、献本していただいた盛林堂ミステリアス文庫新刊「冒険小説 宝島探検/森下雨村」とともに写真に収める。
「冒険小説 宝島探検」は探偵小説の父・森下雨村が、“母子草”の名で十代の若さで著した、明治四十二年刊の幻の冒険小説である。

