2019年01月21日

1/21キング・オブ・仁木悦子旧蔵書!

昨日の「みちくさ市」は、寒いながらに四十二冊を売り上げ、まずまずの好成績。遊びに来ていただいたみなさま、本を買ってくれたみなさま、声をかけてくれたみなさま、本当にありがとうございました。午前の直射日光で顔面が日焼けしてしまい、奇妙にほてっていますが、毎度毎度楽しい幸せな五時間でありました。またおかしな古本を用意しますので、次の機会も何とぞよろしくお願いいたします。そして懸案の「野呂邦暢古本屋写真集 特装版」だが、何と始まって三十分ほどで、無事に旅立って行ったのである!気持ち半分は売りたくなかったので、思い切って一万円の高値をつけて、ひっそりと置いておいたら、皆本を手に取るのだが、ため息とともにそっと戻される行為が何度も繰り返されていた。さすがに『こりゃ売れないかな』と思っていると、眼光鋭い一人の古本猛者が、本を手に取りページを捲り値段を見ても、本をそっと戻さないではないか!…すげぇ!買うつもりだ……う、売れた。売れてしまった。そして猛者はさらにたくさんの古本を抱え込み、気持ち良過ぎる買いっぷりを見せてくれたのであった。ありがとうございます!

本日は夕方に三鷹に流れ着いてしまったので、定点観測はナシ。その代わり、駅に向かう道すがらの「上々堂」(2008/08/17参照)に飛び込み、「岡崎武志堂」が撤退した後の棚を観察してみる。そこはすでにネット販売用の本で埋められており、永井荷風関連本が目立っていた。向かいの文庫棚は、まだちょっと空いたままになっている部分もアリ。偕成社「絵とき百科 日本めぐり/山鹿誠次」(カバーナシ)を200円で購入する。暗くなり始めた阿佐ヶ谷に戻り、最近『閉店半額セール』で賑わいを見せている「ネオ書房」(2019/01/06参照)に、何か面白い物ないかなとブラリ立ち寄る。すると左壁棚下段の一角に、仁木悦子の本がチラホラと出されている。そのなかの「粘土の犬」を手に取ってみる。400円の値札があるので、つまりは200円になるということだ。そして見返しを見て、ゾッと鳥肌を立ててしまう。献呈署名が入っているのだ!しかもただの献呈署名ではない!『仁木悦子』から『大井三重子様』(仁木悦子の旧姓本名)へ献呈されているのだ!つまりこれは、推理小説作家・仁木悦子から、童話作家・大井三重子…いやそれより、やはり本人としての大井三重子に送られたものだろう!何という、茶目っ気たっぷりで、いじらしく可愛らしい署名献呈本!こんなの前代未聞である!以前もこのお店で仁木悦子の旧蔵書を手に入れたことがあるが(2016/07/20参照)、これは、自分自身への献呈という、キング・オブ・仁木悦子旧蔵書と言えるのではないだろうか!今高らかに『どひゃっほう!』と叫び震えながら、珍し過ぎる大物を我が物とする!講談社「粘土の犬/仁木悦子」論創社「山田風太郎少年小説コレクション1 夜光珠の怪盗」を計650円で購入する。
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posted by tokusan at 18:51| Comment(6) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やはり本家本元の「どひゃっほう!」は凄いですね! 正直「どひゃっほう!」どころではないのでは?
三段活用で「ひゃっほう!」「どひゃっほう!」「メガひゃっほう!」なんていかがでしょうか? 最上級の叫びをまた楽しみにしてます。
Posted by at 2019年01月22日 20:59
いやはや、世の中にはとんでもないサイン本があるんですね。まさに「メガひゃっほう!」。
なんとかあやかりたいもんだと思って古本屋に寄ったら、なにげなく手にした本が献呈サイン本でした。
森繁久弥の『こじき袋』。昭和32年発行の本で、「土屋憲三先生」とあり、調べてみると森繁が通っていた旧制北野中学の先生のようです。
3冊200円だったので、大喜びで購入。仁木悦子本には及びもしないけれど、ほんのちょっとはあやかれたようです。ありがたや!
Posted by よしだ まさし at 2019年01月22日 22:27
どどどどどどどどどどどどどどどどどひゃっほうです!
Posted by 古ツア at 2019年01月23日 00:53
よしだ まさし様。これはもう、ただひたすら古本の神様に感謝を捧げるしかありません。懇切丁寧に大事にいたします!
Posted by 古ツア at 2019年01月23日 00:55
どどどどどどどどどどどどどどどどどどひゃっほうおめでとうございます!本も歴史も誰かが残そうと努力してこそ残るんだと思うんですが、本自身も自分を認めて残そうとしてくれる持ち主さんを求めてるんだと思います。愛してくれる新しい持ち主に見つけてもらってどどどひゃっほう本自体も喜んでるんじゃないかなぁと思いました。

こちらでネオ書房さんの閉店セールを教えてもらって今日やっと行ってきました。土地柄なのか、いわゆる”古老”による覚書系の阿佐ヶ谷や高円寺など近隣地域の歴史に関わる本をこちらで見つけることが多いです。今日も自分が生まれる前に出されたおそらく自費出版の練馬の古老による覚書を50円で買わせてもらいました。その名も『忘れないうちに』。1905年に生まれた著者が古希記念に出したものでした。

ネオ書房さんの引き戸を開けて中に入ると灯油ストーブの湿ったいい匂いがしました。この匂いもだんだんと消え去ろうとする文化遺産な気がします。ここのおじいさん自体がすごい方なのでご機嫌のいい時にご相談して昔話をインタビューしたいなぁ、、できるかなぁ、、などと考えてます。

ほかにも銀星舎さんだったりゆたか。書房さんだったり、千章堂さんだったり、長く続く個人経営の古書店が阿佐ヶ谷には多くて嬉しいんですが、お人柄に愛着を持っている店主さんたちがご年齢などでお話しできるときがいつかは来るんだと思うと寂しくなります。古本屋さんではないですがパールセンターのあかいトマトさんも中村時計店さんもご年齢でお店を閉められて、だんだんと自分の親しんできた阿佐ヶ谷じゃなくなって来てしまって本当に寂しいです。関東大震災で焼け出されてきた下町の人たちの面影や匂いが残る文化の町でしたけど、だんだんとそれが消えていってしまうんだなと思うと寂しいです。時代の流れなんですけど、やっぱり寂しいです。

嘆いていても仕方がないので、せめて自分の本棚と脳内だけでもタイムカプセルにして生きてけたらいいなと思ってます。
Posted by アサガヤン at 2019年01月24日 21:37
「店主さんたちがご年齢などでお話し”できなくなる”ときがいつかは来るんだ」の間違いでした。あまりに寂しすぎて自分の願望書きマツガイをしてしまいました;;
Posted by アサガヤン at 2019年01月24日 21:42
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