2019年03月19日
3/19視線を上げたら古本屋遺跡。
本格的な春が背後霊のように後に立っていると実感出来る、三月後半の午後二時。国立の西南に流れ着いたので、『富士見通り』を伝って駅へと向かう。今日は火曜だから「飛葉堂」(2018/10/24参照)は定休日か…そんなことを考えながら、『音大付属高校』前に差し掛かる。駅は、まだまだ遠いなぁと、バス停に並ぶ人を避けながら歩を進め、何気なく対岸の建物群に視線を向けると、背中にビリッと電流が奔ってしまった。『書房』?『古書』?足を停め、丸まっていた背を伸ばし、忙しなく行き交う車越しに、向かいの店舗兼住宅を凝視する。視線の先にあるのは、『古書買入 国立書房』と書かれた、年季の入った日除けテントである。ずいぶん前に閉店したお店なので、無論シャッターはガッチリと下りているのだ。だが、まさか、こんな風に未だにお店が残っていたとは、思ってもみなかった。ここは何度も通っているはずだが、こんな立派な“古本屋遺跡”があったとは、まったく気付いていなかった。いつも足元ばかり見て歩いているからだろうか…視線を上げると、こんな良いこともあるんだな…。一度も入ったことはないし、現役時代も見たことはない、縁の薄いお店であるが、色褪せた日除けが、まだ鮮やかに緑色だった往時の姿をボンヤリと想像してみる。通路は二本で、奥に番台がある、真面目寄りなお店であろうか(後で「21世紀版 古本屋地図」を引いてみると、『社会科学書、文学などを扱う』とあった)。そんな突然の出会いに、ついつい人目を気にせず、ニヤニヤしてしまいながら、お店の姿を撮影する。当然古本は買えていないが、心地良い満足感をたっぷりと覚え、駅まで軽やかに歩く。「みちくさ書店」(2009/05/06参照)でハヤカワポケミス「黄色い部屋/ガストン・ルルウ 日影丈吉訳」を100円で購入し、車内で日影の解説から読み始めた後、本編を繙いて行く。
この記事へのコメント
鶴橋駅のBOOKOFFが今日で閉店のようです。
Posted by あ at 2019年03月20日 09:29
ええっ!本当ですか!?願わくばもう一度、自動改札を抜けてダイレクト入店したかった…。情報ありがとうございました。
Posted by 古ツア at 2019年03月20日 16:50
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