2019年05月30日

5/30『時計』マークの初版じゃないか!

昨日は夕方に「フォニャルフ」に補充しようと、西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に駆け付けると、店前で台車をゴロゴロ押して来た、いつもお世話になっている印刷所の方とバッタリ。即座に一肌脱いで、台車の上に山を成している盛林堂ミステリアス文庫の「実歴奇談 真澄大尉/吾妻隼人」の納品を手伝う。この作品は、山中峯太郎別名儀の初単行本化軍事探偵小説である。いつもの如くカバーデザインを担当したので献本分をいただきつつ、帳場周りに集まる盛林堂ミステリアス文庫ブレーンの方と芦辺拓氏と、著者近影の歴史についてそこはかとなく意見を交わす。
masumi_taii.jpg

そして本日は午後に吉祥寺の北に流れ着く。すると長らく開いていなかった「午睡舎」(2009/09/10参照)が開いている!と思って近づくと、小さな店内はすでにカウンターのある飲食店のように改装されており、まさに今も改装作業中なのであった…あぁ、いざさらば「午睡舎」よ…。そこから南にブラブラ歩いて「藤井書店」(2009/07/23参照)へ。ちくま文庫が安値で並ぶ店内右壁棚に目をキラリと光らせ、ちくま文庫「横井軍平ゲーム館/横井軍平 牧野武文」を200円で購入する。『サンロード商店街』を必死に通り抜け、JRと井の頭線の高架を潜り、つい先日慰めてもらったばかりの「よみた屋」(2014/08/29参照)へ。入口手前の新書棚下段端から、集英社「りぼん」ふろくの弓月光物二冊を抜き出す。「弓月光ワンマンショー」(本人も写真で登場しまくり、単行本未収録作『ヨットどっこい!』(夫婦が新婚旅行で核実験を見学に行くアナーキーな漫画)の他にも履歴書や漫画家入門を収録)「天使のような悪魔チャン」を握り締めて店内へ。50均文庫棚には先客が張り付いているので、店内をブラブラする。すると右から二番目通路の海外ミステリ文庫棚で、創元推理文庫「ゲー・ムーランの踊子/ジョルジュ・シムノン」が袋に入って並んでいるのを見つける。元パラで帯がちゃんと付いている…と引き出すと、ぬおっ!帯の作風分類マークが『時計』ではないか!初期創元推理文庫のバイブル、湘南探偵倶楽部の「初期創元推理文庫書影&作品目録 新訂増補版」によると、発見難易度『B』の代物である。この『時計』が初版最初のバージョンで、その後同じ初版で『猫』に変化し、さらにその後同じ初版の『猫』マークでカバーが掛けられることになる…まるで複雑怪奇な出世魚…。ちなみに『時計』マークは『その他の推理小説(法廷もの・倒叙ものetc)』で、『猫』マークは『スリラー サスペンス』を表している。同文庫で出されているシムノンは『猫』マークに分類されているが、この「ゲー・ムーランの踊子」と同じ昭和34年に出された「男の首」「黄色い犬」の初版は『時計』マークとなっている。つまりシムノンは、最初はその他の推理小説だったのだろう…。値段を見ると超お手頃な千円だったので、握り締めていた二冊と合わせて千二百円で購入する。あぁ、今日も「よみた屋」
に良くしてもらった。
simnon_tokei.jpg
posted by tokusan at 18:08| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: