2019年06月20日

6/20どうなるの?えほんやるすばんばんするかいしゃ!

午後一時の『ラピュタ阿佐ヶ谷』に、『添えもの映画百花繚乱SPパラダイス2019』特集の一本、『怪談一つ目地蔵』を観に行く。1959年公開の東映お盆用おばけ映画で、上映時間は六十六分。あぁ、面白かった。主演・若山富三郎の軽薄な御家人っぷりも良いし、後半の呪いまくり祟りまくりの展開も凄まじい。怨霊が遠慮呵責なく出現し、因縁ある人たちが工夫を凝らした仕掛けと演出で死んで行く…むむ、まるで旧『サスペリア』のようだ。人を不安にさせる特殊撮影もふんだんに使われ、狂乱して刀を振り回すトミーの後で江戸の街がぐるんぐるんと回転する演出は、まるでヒチコック映画を観ているよう。世の中には、まだまだ色んな映画があるもんだ。次はまたもや怪談映画の『執念の蛇』と『青蛇風呂』を観に来よう。そんな映画館の暗闇を飛び出し、中央総武線の高架下を伝って高円寺へ向かう。「えほんやるすばんばんするかいしゃ」(2014/09/11参照)が6/25(火)まで、『2階おしまい改装セール』を行っているので偵察に向かう。どうやら2階から1階のギャラリーにお店を移すらしいのだが…。高架下から離脱し、横路地の店前に到着すると、階段横にはロシア児童本や絵本や「かがくのとも」「こどものとも」の箱が出されている。一階窓ガラスの貼紙を見ると、『3冊…3割引 5冊…5割引』となっている。どうやら複数冊買わないと、セール対象にはならないらしい。二階への狭く急峻な赤い階段をミシギシ上がり、絵本と児童文学が集まる小宇宙をしばし楽しむ。この二階での買物も最後となるので、何か記念になるものを…と悩んで選んだのが、中央の箱に集まる、またもやの「かがくのとも」「こどものとも」。横長縦長中綴じ冊子を丁寧に繰り、欲しかった一冊を見つけ出す。福音館書店こどものとも282号「よるのびょういん/谷川俊太郎作 長野重一写真」。名作写真絵本の1979年オリジナル版である!1800円で購入しながら、店主さんに「お店、一階に移るんですか?」と聞いてみると、「いや〜、まあ、そういえばそうなんですけど…」と、大いに悩みながら、言葉を選び選び話し始める。それは、ただ一階に古本屋を移すということではなく、古本との、現在の安心し切った“なぁなぁ”とも言える関係を、古本が大好きだからこそ正すために、一階の改装はほとんどタッチせず人に任せ、在庫も倉庫の本をドシドシ出して、十年もやって慣れ切った古本屋稼業に刺激を与え、何か化学反応を起こしたい…というようなことを、ポツポツと教えてくれた。だから現在は、まだ一階がどうなるか、まったく分からないそうである。つまりは、環境をリセットし、自分にはなるべく未知のベールを被せ、新たに生まれる新鮮さを困難も含めて楽しんで行きたい…と言ったところだろうか。まぁ店主がうまく説明出来ないのを、そう簡単に理解出来るはずもないわけだが、相変わらず愉快で素敵な方であることに変わりはない。所詮我々お客に出来るのは、一階の新奇なお店を、出来上がり次第ただ楽しむのみなのである。嬉しい「よるのびょういん」初版を手にして、最後の急階段を下りようとすると、見事に階段うえの梁におでこをゴチンとぶつけてしまう。うぅ、小さな星が目の前に散った。
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posted by tokusan at 16:27| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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