2019年07月24日
7/24原田治旧蔵書!
荻窪からバスに乗車し芦花公園に向かう。駅の北側でバスを降り、南に線路を越えて、一路『世田谷文学感』へ。現在『原田治展「かわいい」の発見』が開かれているのだが、先週の金曜日に観覧した文庫善哉さんからその日のうちに急報が入り、一階のグッズ売場で原田治の旧蔵書が300円均一で売られているというのだ。ほとんどが函ナシやカバーが剥がされた本で、売り上げは環境保全団体へ寄付されるとのこと。本当はすぐさま駆け付けたかったのだが、色々あって本日の出撃となってしまったのである。『明日にはほとんどなくなっているかもと思いつつ、これは面白いのではないかとタレ込んでみます』と言われていたので、激烈な人出の土日を乗り越え、少しでも残っていることや補充されている可能性に縋りつつ、すでに女子がさんざめく入口を突破する。すると直ぐ左に、件のカートが目に入り、最上段にまだ十冊弱の本を残しているようだ。やった!と喜び、すぐそちらを見に行きたかったのだが、受付のお姉さんと目が合い「いらっしゃいませ。展示のチケットですか?」と言われてしまったので、おとなしくチケットを購入し、まずは展示から観ることにする。グッズ売場の商品やガチャガチャは人気だが、誰一人として旧蔵書に興味は持っていないようだ…この分なら大丈夫だろう。そう高を括りながらも、展示の前を通る足は、自然と早足になってしまっている。それでも、展示の質の高さと量には充分圧倒される。主にイラストレーターとしての仕事をまとめてあるはずなのだが、すべてが絵ではなく物欲を刺激する物資として感知され、POPと原色と太線とアメリカと日本が融合した不変性と永遠性を維持し続けるパラダイスに首まで浸かる。カルビーポテトチップスのキャラは原田治だったのか…「幻想と怪奇」の表紙もやっていたのか…岸田衿子との見たこともない幼児用の絵本はいつか手に入れなければ…蔵していた北園克衛『PLASTIC POEM』や小村雪岱の木版画がスゲェ!…そう言えばこの間「ささま」均一で買った「57人のブラッドベリアン」は装幀も挿絵も原田治だったな。帰ってから改めて良く見てみよう…などと感じ考えながら、足早に観覧終了。続いて一階の展示室で開かれているコレクション展『仁木悦子の肖像』も楽しむ。小規模ながら、直筆の原稿やプロットや書簡類を集めた見応えのある展示である。推理小説関連も良いのだが、紙芝居の「うそつききつね」や自家製童話集「ありとあらゆるもののびんづめ」、スミセイ児童文庫版「消えたおじさん」、雑誌「こどもの光」に連載されたジュニアミステリ「口笛たんてい局」の分厚い原稿束に特に目を細めてしまう。四枚蛇腹折りのパンフ代わりのリーフレットを入手する(裏面には一面に日下三蔵氏の寄稿が!)。そしていよいよグッズ売場の片隅へ。ラックカートの前に立つと、娘さん直筆の説明POPが付けられている。歴史系の本が多いのが不思議なところ。新潮文庫の「Xの悲劇」があるな…などと悩みつつ、結局はこれはちゃんとカバー付きの岩波文庫「特命全権大使 米欧回覧実記(一)」を買うことにする。この文庫は中を開くと、ページを折った跡があり、蛍光マーカーで所々に線が引かれているのだ。普段だったら決して買わぬ『ラインあり』という本なのだが、これが原田治が引いたのなら話は別となって来るのだ。購入してレシートをいただくと、ちゃんと品名が『原田治旧蔵書』となっているではないか。展覧会のチケットとともに、大事にこの本に挟んでおくこととしよう。それにしても展覧会の会期は9/23までなので、また旧蔵書が補充販売されると面白いのだが…。

この記事へのコメント
コメントを書く

