2019年07月27日

7/27「廿面相」フィルムについて思いを巡らす。

昨日手に入れてから、ライオン・フィルム「怪人廿面相」について、ずっと思考を巡らせている。調べてみると『ライオン.フィルム』は戦前からある会社のようで、漫画映画のフィルムや映写機や幻灯機も自社製のものを販売していたらしい。だが今回発見したフィルムは、そのラインナップから見ると、明らかに戦後のものである。ここまで有名所を商品化しているのなら、ちゃんと著作権の許可は取っていたのであろう。
film_hako.jpg
※フィルムセット完品の写真。
そこで「怪人廿面相」である。タイトルや『おわり』の部分には、乱歩や漫画作家の名は入っていない。昨日も書いた通り、24コマ(フィルムだが、いわゆるアニメーションではなく、漫画のように一コマに絵とセリフが書かれている)の短いダイジェスト的ストーリー。狙われるのが、高い時計塔が有名な大鳥時計店の『金の塔』で、小林少年が女装変装するところなどから推察すると、どうやら大元は「少年探偵団」らしい。
nijyumensou_film.jpg
…とここで思い当たることが一つ出て来た。それはこの特徴ある絵柄である。戦後の漫画の絵柄にしては、高野文子のように妙に乾いてシンプルでプリティーなのである。確か昭和三十年代の乱歩漫画にも、こんなおかしな絵柄の作品があったはずだ…それを確かめるために引っ張り出したのは、「乱歩漫画コレクション/森英俊・野村宏平編」という全12ページのリーフレットである。…パラパラ…あったあった。黎明社「少年探偵団/作画せき・しろ」という昭和三十年刊の作品がそうである。カラーの表紙絵も同じタッチで、内容もまさに「少年探偵団」なのである。これはもしかしたら、漫画から絵柄を抜き出して、セリフや説明文字を書き入れ、フィルム化した可能性がデカイ。もしくは面倒にも描き下ろしたか…。恐らく現物の漫画に当たってみれば、その謎も容易く解決するのであろう。だがその現物の漫画「少年探偵団」に出会えるチャンスなんて、これからの人生にあるかないかの低い確率なのである。これは一度、絶対にその漫画を所蔵しているであろう古本神・森英俊氏にでも、確認作業をお願いしてみるか…。それにしても一本の古い玩具的フィルムから、こんなにも色々と推察出来るのは、全く持って楽しいものだ。
posted by tokusan at 18:14| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: