2019年08月21日

8/21茂田井武装画。

昨日は雨がドシャバシャ降り始めた夕方の井の頭公園にたどり着いたので、雨粒で煙る池を眺めながら公園内を突っ切り、雨仕様の「よみた屋」(2014/08/29参照)へ。ちょっとの雨ではあまりたじろがぬ大きな庇の下の店頭棚も、この激しい雨の前にはやはりビニールを掛けざるを得ないようだ。ビニール越しの、多少歪んで滲んだ本の背を眺め、端の大クリップを外し、月曜書房「目で見る世界の名作映画/岩崎昶・瓜生忠夫」をそっと取り出して100円で購入する。今日はバタバタと過ごしている中、一瞬だけ西荻窪に外出し、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)内の「フォニャルフ」棚に、誠心誠意補充する。そして早くもビニールカーテンに包まれた店頭棚から、春秋社「猫は猫同士 動物小説集1/乾信一郎」を100円で購入する。箱ナシだが、装画とカットを茂田井武が務めているので、決して見逃す訳には行かなかった。茂田井は私の中では、安泰と並ぶ動物絵の上手い画家である。安泰は動物そのものの可愛らしさをリアルから少し逸らした感じで表現するのが巧みだが、茂田井は円空や仙崖のように単純な線でモデルを崩しながらも獣感を決して損なわずに可愛く仕上げることに長けている…あぁ、やっぱり可愛い。その可愛さに引き摺られ、茂田井の装幀本はいつでも気になっているのだが、いつか手に入れたい本としては、小栗虫太郎の「地中海」「魔童子」「航續海底二万哩」「二十世紀鉄仮面」などが直ぐ頭の中に浮かんで、ぐるぐる回り始めてしまう。だが、それらを弾き出すほどさらに欲しいのが、新太陽社「魔都/久生十蘭」である。カバーと表紙に描かれた、事件の舞台となる夢のような銀座の街頭風景!軽妙洒脱で絢爛豪華で博覧強記な探偵小説と見事ににゅるりと絡み合い、一級品のオブジェと化してしまっているのだ…こんな素敵な物が存在してしまうから、人間の欲望は尽きることを知らないのだ…あぁ、欲しくなって来た。あの本で「魔都」が読みたい読みたい…。
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posted by tokusan at 16:45| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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