2019年10月13日

10/13一日早い定点観測+α!

台風が過ぎ去ったのに秋は来ず、十月の街は、まるで夏の海辺のような陽気である。昨日計画運休した電車網は、まだあまり復旧していない。強い日射しを浴びながら、両の足を頼りにまずは荻窪へと向かい、一日早い定点観測に取りかかる。「ささま書店」(2018/08/20参照)店頭の交通網の乱れに屈せぬ古本修羅たちの姿に驚きながら、「藍書店」(2018/12/29参照)で平河出版社「魔法修業/W・E・バトラー」を330円で購入する。これでいつものように家に引き返してしまうのは、何だかもったいない気がするので、駅北口へと向かい、動き始めたガラ空きの電車が走る線路下を潜って北口に向かい、石神井公園駅行きのバスに乗り込んでしまう。車中でハヤカワポケミス「野獣死すべし/ニコラス・ブレイク」を読了し、江戸川乱歩の巻末解説で、この名漢文調タイトル『野獣死すべし(原題:The Beast must Die)』が、乱歩譯であることを初めて知り、乱歩の偉大さを再確認する。およそ三十分弱で石神井公園駅着。裏路地の「きさらぎ文庫」(2009/01/21参照)をまずは覗き込み、創元推理文庫「吠える犬/E・S・ガードナー」(再版)を百円で購入する。そのまま繁華な商店街を突き進み「草思堂書店」(2008/07/28参照)へ。徳間文庫「真っ赤な犬/日影丈吉」をこれまた百円で購入する。そしてここまで来たのなら、やはり大好きな「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)をチェックして行かなければと、保谷まで移動。車に脅かされる駅前通りを伝って店頭に食らいつく。素早く視線を素晴らしいスピードで疾駆させ、たちまち手の中に四冊を収める。小沢書店「吉田一穂の世界/吉田美和子」八雲井書院「五代教祖の実像 霊友、佼成、PL、メシヤ、生長の内幕」成山堂書店「自衛官への道 防衛庁監修(昭和三十九年版)」北隆館出版部「日本動物圖鑑 日本植物圖鑑 内容見本」を計440円で購入する。「日本動物圖鑑 日本植物圖鑑 内容見本」は大正十五年刊の図鑑の内容見本小冊子。動物圖鑑の冒頭には蝶の美しいカラー口絵が付いているが、植物圖鑑の口絵は著者・牧野富太郎のポートレートが!これは嬉しや。
makino_tomitarou.jpg
概ね満足しながら中村橋に至り、最後に「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)を覗く。店内で棚を見ていると、突然背後で本が落ちる音が。私が落としたのではないのだが、取りあえず棚に戻しておこうと拾い上げると、レジの店主がそれを見て駆け寄り「お手が汚れてしまいます」と本を受け取る…いや、そんな大したもんじゃないですよと、何だか照れる。そして中央通路の食関連の棚で、企業PR誌の「洋酒天国」(十冊弱)「嗜好」(三十冊弱)「サッポロ」(二十冊弱)がぞろっと並んでいるのに出くわす。「洋酒天国」は800円均一。ミステリー特集が紛れ込んでいないか探してみるが、残念ながらナシ。「嗜好」も取り出しちょっと目次を確認してみるが、いまいちピンと来ない。そこで「サッポロ」の目次に目をやると、最初で上手く引き当てた形で、大坪砂男のコント的小説が載っているではないか!おぉ!と色めき立ち、残りの冊子の目次にも懸命に目を通す。すると城昌幸の小品スリラーも発見!日本麦酒株式会社「サッポロ6号」「サッポロ19号」を計600円で購入する。大坪の「ビヤホール風景」は、四ページに二編のコント小説が上下に分かれて掲載されている。読んでみると、タイトル通り同じビヤホールにいる人物たちの物語が、巧みにクロスし、そこはかとない感動を呼び起こす佳品であった。薔薇十字社「大坪砂男全集」には収録されていないが、創元推理文庫の「大坪砂男全集」に初収録されている模様。
otsubo_jyo.jpg
posted by tokusan at 16:47| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: