2019年10月16日

10/16装幀:岸田衿子

日が短くなったのもあるが、朝から何だか薄暗い一日であった。夕方近くに国立近辺に流れ着くが、すぐに中央線に飛び乗り三鷹駅に向かってしまう。駅北口を出て北に進み、その道すがらビルの間の空を仰ぎ見ると、重そうな雲の所々に歪な穴が空き、青空がのぞいている…まるで忍野八海を地面の下から仰いでいるみたいだ…そんなことをぼんやり考えていたら、いつの間にか「りんてん舎」(2019/03/30参照)前。珍しく表では何も掴めずに、さらっと店内へ進む。各通路を楽しみながらゆっくり眺めていると、詩集の棚が凄みを増しており、ついつい真剣に一冊ずつ薄い背を追いかけてしまう。藤富保男の素敵なところが…古めの谷川俊太郎も…などとやりながら、さらに古い詩集ゾーンに差し掛かる。ユリイカ 双書 種まく人1「現代詩のイメージ/安藤次男」が献呈署名入りで三千円か…欲しいなぁ、読みたいなぁ…と目次を見ていると、あれ?この本、装幀が岸田衿子なの!?ぐわぁ、ますます欲しくなって来た…だが三千円はちょっと…あれ?端っこにもう一冊同じ本がある。急いで取り出してみると、こっちは献呈署名ナシで、カバーも痛み気味…だが、値段が千円!買います買います!というわけで1100円で購入する。
gendaishi.jpg
思いっきりジャケ買いしてしまったが、最初の論考が志賀直哉の呪いから始まり、とっても面白そう!そんな風に思わぬ岸田衿子関連の一冊を入手し、足取り軽く「水中書店」(2014/01/18参照)へ。こちらでは店頭均一棚から抜き出した、自由国民社「一杯のむときの事典」を百円で購入する。
ippai.jpg
表紙の清水崑の絵は何だかセクシー系だが、中身はすべてお酒に関する本。世界の酒場グラビアから始まり、各界通人百人がお酒に関するエッセイを寄稿(谷口千吉・佐野繁次郎・志村立美・北村小松・大下宇陀児・古川緑波・スタルヒン・村山知義・トニー谷・岡本太郎・三木鶏郎などなど、なかなかたまらないラインナップに加え、本文内のカットと漫画はすべて辻まことが手掛けている)と、興味津々読ませる内容。三鷹で途中下車して良かった!とニヤニヤしながら帰宅する。

ところで、ついこの間、岡崎武志氏と訪れたばかりの栃木の「吉本書店」(2010/12/25&2019/09/10参照)が、先日の台風十九号による水害に遭い、古本がかなり犠牲になってしまったとのこと。現在大変な片付けに追われているが、近場の古本屋仲間が力を合わせ、復旧に向けて奮闘の真っ最中である。だが実店舗は残念ながら、これを機に閉店されるらしい。ネットに上がった写真を見ると、もはや諦めざるを得ない、仕方のない惨状である。こんな閉店の仕方は決して本意ではないでしょうが、それでも長い間本当にお疲れさまでした。店番を続けてくれていた、ご高齢のお母さまにも感謝である。もちろん「吉本書店」自体は残り、ネット販売や催事は続けて行かれるので、今後ともバッタリ何処かでお見かけしたら、古本を購入していくつもりである。ファイト、吉本書店!
posted by tokusan at 19:23| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: