2020年01月15日

1/15古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸【第六章】

昨日はどうにか復調した身体を酷使するため、盛林堂・イレギュラーズとして、ここ二ヶ月ほどで急ピッチで進んでいる日下三蔵氏邸書庫の整理に、ボスの・小野氏とともに急行する。いつものように「盛林堂書房」(2012/01/06参照)前で待ち合わせ、午前七時二十分に東京を出発。渋滞を乗り越え、高速をひた走り、途中でアニメの話に夢中になり過ぎて分岐ルートを間違えたりしながら、どうにか予定通りに神奈川県の某所に到着。駐車場で朝四時まで原稿を書いていた日下三蔵氏と落ち合い、まずはマンション書庫へと向かう。今日の作業は、残っている八本のカラーボックスの設置と、本邸和室の片付け&そこから出た本をマンション書庫に運び込むと言うもの。テキパキ進めれば、とてもスムーズに進む気がする、無理のない作業プランである。早速一時的に本を入れてしまった中央に置かれたカラーボックス群から、本を抜き出し台所方面へ逃す作業が始まる。これは小野氏と日下氏が連携して進める。
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私はと言えば、和室入口横の壁際に、まずは四つのボックスを設置することになったので、その部分を覆う本の移動と余裕のある作業スペースの確保を担う…つまりは本の山の移動である。ただただ本をひたすら同一室内で動かしまくる…まるでこれは古本不変の法則=ここの古本はほとんど減ることがない、ダブりやトリプり、クァドラりが見つからぬ限りは…などと考えながら、一心不乱に上手くスペースを作りつつ、本を後へ右へ…懸命に四十分ほど働き続けたなら、当然の如く壁が見えて来た…後、この壁のような本タワーを四列……よし、開いた。それではカラーボックスを設置してみよう。おぉ、ちょっと奥の翻訳本棚が一部見難くなるが、ぴったりじゃないか。やがてあちらの作業を終えた日下&小野コンビがこちらに移動し、続いて自著を組んだばかりの棚に入れ始めた。
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と言うわけで、本の山の中から日下氏の自著を探し出し、せっせかせっせか渡して行く…ふぅ。ある程度入ったところで、次の行程に取りかかることに。今度は車で本邸に移動し、和室の整理に着手する。前回(2019/12/11参照)それなりに整理や運び出しを行ったので、スペースも充分空き、見通しが明るい。シャッターを開けて窓から入った日下氏が、本をある程度選別し、窓際まで運び出して来る。
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それを受け取り玄関ポーチを伝ってガレージに降り立ち、バックドアを全開にした盛林堂号後部で本を結束する小野氏に、次々と渡して行く。これを何十往復も繰り返すのである…その途中、フト窓際に積み上がる本の山に目を移したら、あぁっ!「宇宙からきたひる」がいつの間にか二冊に増殖してる!
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ダブってる!…ヒ〜ェイ。こんな本がダブるなんて…やはりここは確実に何かが歪んでいる…。そして日下氏がつぶやく。「この辺に古い探偵小説があるはずなんですよ。もうそろそろ近付いている予感がします」。だが、まだ指差されたそこにあるのは、分厚いコミックの山なのである。そんな風に作業を一時間ほど進めて行くと、たちまち盛林堂号のトランクが一杯になって行く。ひとまず運び出すのはこのくらいにしようということになり、全員が気になって仕方ない探偵小説層を、整理を進めながら発掘に取りかかる。こうなると、俄然エンジンのギアを上げるのは小野氏である。古本パワーショベルのように山を突き崩し、古本ブルドーザーのように移動させて別な場所に積み上げて行く。次第に発掘部分は奥へ奥へ…すると「木のサイドボードが出て来ました。何か民芸品がたくさん飾ってあります」と報告。日下氏が「ではその横辺りにあるはずです」。と言うことで横に少し発掘部分を移動させる。すると本当にその横から、黒い古書の積み上がる探偵小説層が、ついに出現したのであった。
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「うわぁ、出た。本当にあった!」と歓喜の声が上がる。「お、俺にも見せて下さい見せて下さい」と慌てて近付くと、そこには素晴らしくカロリーの高い眺めが!しかも想像していたのより多い気がする!永瀬三吾「白眼鬼」が本当にダブってる!「これ、鮎川哲也「ペトロフ事件」の異装版。すごく珍しいんだよ」と小野氏。「國枝史郎の「恐怖街」がある…持ってたんだ。スゲェ〜」と日下氏。城昌幸の「美貌術師」が…あわわわ。などと大興奮する。こんな風にひとまず初期の目的は達したので、次は搬出した本をマンション書庫に運び込んだ後、昼食を摂ることにする。本で重くなった車でブロロロロと移動して、バケツリレー方式でエイコラヤイコラ大量の本を必死に搬入する。すると、あれだけスペースの出来ていたマンション書庫リビング部分も、さすがに以前のように本が溢れ始めて来た。うぅむ、凄まじい状態になりつつある。とここで作業第一部が終了。三人ともすっかりエネルギーを使い切ってしまったので、駅方面に出て美味しい美味しいお寿司で栄養補給する。この昼のお寿司は、もはや日下邸整理訪問の楽しみのひとつとなりつつある。すっかり満腹してマンション書庫に戻ると、玄関の洞窟具合を解消し、スムーズな動線を確保した小野氏が、そこの片付けを提案する。そして承諾した日下氏とともに、棚の入れ替え&奥へ運ぶ物の選別、それにもっと効率的な本と物の積み上げに取り組み始めた。
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それならばこちらは、リビング台所間の本の山を移動させ、後四本のカラーボックス設置ゾーンを作っておこうと、またも大量の本の山の移動に、ひとり取りかかることにする。モクモクモクモク作業し、およそ一時間弱で場所を開け、ボックスを仮設置。
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だが、おかげでリビングの大部分は、整然としてはいるが、大量の本に埋め尽くされることになってしまった…まぁこれは後は、日下氏が棚に本を入れ、さらに有用無用を選別し、次回の作業時に運び出せるように、ジリジリと地道に作業を進めて行くしかないだろう。
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いつしか夕闇が迫り、あっという間に午後五時前。玄関の整理も終わり、以前より格段に出入りがし易くなって来た。これで廊下にも整理の手を伸ばせば、奥へのアクセスがスムーズになり、様々な作業のスピードアップが図れるだろう。というわけで、ここで本日の重労働は終了。ここからはお楽しみのダブり本タイムである。本を棚に入れ、色々見えるようになって来たからこそ、発見し易くなった恐怖のダブり本たち。今回新たに本邸和室から発見された本も持ち寄ると、恐ろしいことに十八種の本が完全にダブっていた(もちろん奥付やアナザーブックについてはしっかり入念にチェック済みなのである)。
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大河内常平「夜に罪あり」が、「白眼鬼」が二冊並んでいる光景は狂った新刊書店のようだ…フレデリック・ダール「絶体絶命」は四冊も…。今回のダブりは高カロリーだなぁ。これはもちろん盛林堂の買取となるのだが、その中から嬉しいハードワークの報酬お土産を分けていただく。裸本や傷んでいる本を主にこちらに回してもらうが、それでも裸本の改造社「就眠儀式/木々高太郎」と新潮社「海・陸・空のなぞ/渡辺啓助」は疲れが吹っ飛ぶほどの嬉しいお土産であった。ありがとう、日下さん!
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後は焼肉で晩餐を摂り、再び栄養補給し、帰りに日下号の助手席に鎮座していたコミック百冊をマンション古書に運び入れ、作業終了。お疲れさまでした。午後八時半には現場を離れることが出来たので、珍しく午後十時前には西荻窪に帰り着く。
posted by tokusan at 18:33| Comment(0) | 関東 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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