2020年01月22日

1/22東京・吉祥寺 古書 防破堤

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駅北口に出たら、中央総武線を西に伝うようにして移動し、パルコ前の交差点。そこを西に渡り、『井の頭通り』と平行ではなく、離れて行くように微妙に角度のついた繁華な『中道通り』のお洒落な商店街に入り込んで行く。そろそろと西北に250mほど進み、『車両通り抜け不可』の黄色い看板が電柱に架かる、六本目の南への脇道に入り込む。道の入口には、新しい古本屋さんの黒い立看板が出されている。道の先は一見行き止まりに見えるが、実は人がひとり通れるほどの細道が続いているのだ。左側には低層の雑居ビルがあり、一階は表が不動産屋で、側面が自転車屋。奥のセメント外階段の下にはまたもや黒い立看板が続き、『階段の上!!』と書かれている。指示通りにタントン上がり、ビル内に入り込むと、白い廊下の向こうに、ドアを開け放した、本日開店の古本屋さんがお目見えしていた。中はこじんまりとしながら整然としたた空間で、床にはカーペットが敷かれている。壁際と窓際には主に高い棚が置かれ、中央には顎くらいまでの高さの通路棚が背中合わせに二本と飾りテーブルが一台並び、漢字の“目”の字の通路を形作っている。右手に下に棚を備えた帳場があり、まろやかな寺脇康文と言った店主が「いらっしゃいませ」と物腰柔らかにお客を迎え入れる。手前通路の壁際は、古典文学と日本文学からスタート。純文学を基礎としながらも、マイナー・ポエット文学やSF文学もタイミング良く組み込んでいるので、棚に独特なリズムが生まれているのが楽しい。そこからさらに詩と海外文学につながって行く。左奥の壁には、思想・哲学・社会・民俗学・アート・サブカル・写真・絵本・図録などが、これも丁寧な流れで収まっている。通路棚には、手前から岩波文庫(緑・赤・青)・岩波現代文庫・講談社学術文庫・講談社文芸文庫・講談社文庫・ちくま文庫・ちくま学芸文庫・新潮文庫・さらなる出版社別文庫・新書と並び、最奥にはセレクトコミックに加え、ラノベやノベルスが一部並んでいるのだが。コミックは吾妻ひでお推しで、ラノベは『涼宮ハルヒ』シリーズと『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のみで、ノベルスは北山猛邦・辻村深月・殊能将之・麻耶雄高のみとなっている…何故だ…好きなのか…。窓際にはCDとともに、演劇・音楽・映画が教養深くマニアックに並んでいる。帳場下の棚に近付くと「そこは百円均一になってます」と店主がすかさず教えてくれた。硬めで芯の通ったお店であるが、硬い中に独特なしなやかさを持ち合わせているので、決して堅苦しくはない。値段は普通で、ハードカバーの良書はしっかり値。岩波現代文庫「戦後日本のジャズ文化/マイク・モラスキー」を購入すると、「これからご贔屓に。よろしくお願いいたします」と丁寧に挨拶される。開店おめでとうございます!

その後はプラプラと吉祥寺の街を流し、「一日」(2017/08/11参照)で大和書房「子供にしてあげたお話してあげなかったお話/岸田今日子」を330円で購入。さらに「よみた屋」(2014/08/29参照)では、早川書房「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン 創刊号」(北園克衛は創刊号からカットを描いていたのか)國際建築協會「國際建築 第七巻第7號 獨逸建築博覧會號」を計220円で購入する。「國際建築」はミース・ヴァン・デア・ローエ設計の住宅の写真やグラビアが何ページが切り抜かれてしまっているが、グロピウスの展示出品パネルや、会場の一巡記などが載っており、1931年当時の建築界の尖端を楽しめる一冊である。
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posted by tokusan at 17:35| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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