2020年03月27日

3/27「モンガ堂」店頭の風速に息が止まる。

本日も家でテレワークなどすること叶わず、西荻窪の北の桃井に流れ着く。『青梅街道』に出ると、午後になって強くなった風が、より強く引き抜けて行く。そんな轟々と吹き荒ぶ風の中に、モンガさんの声が聞こえるようだ!と「古書西荻 モンガ堂」(2012/09/15参照)に向かう。店頭に出された本を吟味して行くが、風が本当に強過ぎてどうにもこうにも…だが必死に抗いながら、単行本棚や文庫本箱や無料絵本箱を漁り、無料の金の星社「かわいそうなぞう/つちやゆきおぶん たけべもといちろうえ」を掴んだところで、尋常じゃない風速に息も止まりそうになり、お店の中に慌てて駆け込む。帳場に座るモンガさんに挨拶し、「いや、ヒドい風ですよ」と言うと「本が飛ばされちゃうから、半分は引っ込めました」と返って来た。なるほど、左端の通路が、普段は外に出ている箱や什器で塞がっている。風の脅威から逃れて一息つけたので、モンガさんと他愛もない話をしながら、店内をゆっくり見て回る。そして今日は、右端通路右奥の棚の裏に死蔵された、横積み古書ゾーンを見せてもらうことにする。手前の文庫や単行本を退かし、古く茶色い本を取り出して行く…尾崎一雄・小林多喜二・横光利一・吉田絃二郎・織田作之助・島崎藤村・広津和郎・井伏鱒二などなど…その中から、異色の裸本二冊を取り分け、「ではモンガさん、いつものように安く売って下さい」と、臆面もなく堂々とお願いして差し出す。名曲堂「青白き裸女群像/橘外男」(カバーナシ)三田書房「山谷の放浪者/柏源一郎」(函ナシ)である。こんなお願いにももはや慣れたもので、たちまち「二冊で千円でどうですか」と答えが出る。即座に快諾して支払いを行いつつ、またの来店を約束する。西荻窪の駅に向かうのが面倒くさくて、テクテク歩いて家に帰る。そしてまずは最初に、手洗いうがいをしっかりと。
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「山谷の放浪者」は登山と旅の中間のような、人気のない悪路の山中や時に里山を、玄妙な景色に喜び咽びながら歩き続ける、ちょっと変わった紀行文集。冒頭の秩父編で、保谷で武蔵野鐡道を降り、秩父に向かって歩き始めるのが早速スゴい。途中の入間には馬車鐡道が走っていたり、飯能では駅前に乗合馬車が屯していたり、大正時代の風俗もまた楽しい。これは面白い本を買わせてもらったぞ!
posted by tokusan at 17:39| Comment(0) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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