2020年05月29日

5/29古本屋さんを陣中見舞いする。

午前のうちに「犯罪の足音/岡田鯱彦」を読了する。伊豆の小村に療養に来ていた、何の役にも立たない、病み上がりのひ弱な学生素人探偵の、事件の出来に心も体も振り回されまくる、微妙な狂言回し的活躍を描いた、読みやす〜い長編探偵小説であった。他にも短篇が三編収録されており、最後の『雪の夜語り』が特に面白かった。ちょっと夢野久作を思わせる、子供時代の小さな犯罪から巻き起こる、悲劇と幸福かもしれない結末がリリカルに展開する。そしてすぐさま「第三の情事/園田てる子」に手を出してしまう。序文が江戸川乱歩で、『ラナ・ターナー事件(女優ラナの愛人を娘が殺害)を思わせる』とのこと。では読んでみましょう…。
ranpo_jyo.jpg

本日は午後に外出し、西荻窪に出たついでに営業開始準備中の「盛林堂書房」(2012/01/06参照)を陣中見舞い。電気の流れていない自動ドアを開けて、奥の帳場に座る店主・小野氏に声をかけてから、薄暗い通路を通って入り込んで行く。おっ、番台周りにはすでに感染予防のビニールシートが張り巡らされており、いつでもお店を開けられるようになっている。この休業の間、日々の些事を淡々とこなしながら、棚にも随分手を入れたとのこと。色々お互いの近況を報告し合い(何たって会うのは一ヶ月ぶり)、古本屋さんについてもあれこれ話し合う。さらにすっかり整理の進んだ裏の倉庫も見せてもらい、見慣れぬ在庫用の棚を堪能する。帰りはぐるっと迂回して「古書音羽館」(2009/06/04参照)を経由し、『お好きな本一冊お持ち下さい』木箱の中から、ほるぷ出版「海島冒険綺譚 海底軍艦/押川春浪」をいただくことにする。ありがとうございます。『女子大通り』を駅に向かっていると、「森田書店」の片方のシャッターが少し上げられている現場に出くわす。おぉっ!店内には、まだ古本がこんなに犇めいているのか…一度でいいから、店内に入って買物がしてみたかったなぁ…。
morita_shoten.jpg
posted by tokusan at 17:00| Comment(4) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
森田書店の写真、まったく興味深いですね。閉めてから20〜30年はたつでしょう?  そこに本が山積みなんて、まるでタイムカプセルではないですか。学生時代に何回か行きましたが、ご主人は古本屋には珍しい(!)品の良いお爺さんだった記憶が。確か、その店主が亡くなられ、息子さんらしき中年男性がお店を継いだと思ったら、わりとすぐに閉店してしまったように覚えています。30年前は女子大の学生さんがいつも書棚を漁っていました。隔世の感。
Posted by ぺんぎん at 2020年05月30日 00:09
昔日の情報ありがとうございます。いいですね〜、うらやましいです。私は「森田書店」にはとにかく間に合わなかったもので。もぅ、この光景を目撃した瞬間、「ちょっと見せてもらえませんか」と、どんなに中に声をかけたかったことか!
Posted by 古ツア at 2020年05月30日 15:43
こんにちは。今日もシャッターが開いていたので店主と少し話しました。多田尋子『単身者たち』(福武書店)を探しているがあるかと尋ねたら数秒店の中に戻って「ないですねー」とのお返事。お店を再開する予定はなく、在庫は市に出すかも、とのことでした。
Posted by いそがい at 2020年06月05日 12:20
いそがい様。また開いてましたか。そして声かけたんですか。素晴らしいです!やりとりがかなり面白いですねぇ。次は入れてもらってみて下さい!
Posted by 古ツア at 2020年06月05日 17:32
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: