2020年06月16日

6/16三ヶ月ぶりの神保町パトロール!

買ったばかりの「世界探偵小説傑作集」を早速読み始めると、最初はフランスの詩人で劇作家ギョオム・アポリネールの『僞救世主』。一読して、オーバーテクノロジーが出て来るSFチックな作品なのに驚く。戦前の“探偵小説”というジャンルの懐の深さを感じるセレクトである。これを冒頭に持って来た水谷準はスゴい!

本日は午前十時半に神保町に入り込む。およそ三ヶ月ぶりの神保町パトロールである。まずは「三茶書房」(2010/10/26参照)で店頭の300均ワゴンに取り憑き、全集目録や文学館パンフの束に挑む。丁寧に繰って行ったおかげで、『横溝正史館』のリーフレットを発見。横溝が上諏訪に向かう際、乗物恐怖症なので山梨市でよく途中下車をしていたことが縁となり、東京・成城の書斎を移築し、出来た記念館である。300円で購入する。街を進んで行くと、空きテナントが少し目につく。新型コロナの影響なのだろうか…そして、とっくに午前十時を過ぎているのにまだ開いていない古本屋さんや、開店準備中のお店が多い。これはどうやら、感染予防のために営業時間を短縮し、午前十一時からの開店が増えたためらしい。やはりまだまだいつも通りというわけにはいかないようだ。やがてビジュアルも店内も重厚な「一誠堂書店」(2010/03/27参照)に差し掛かると、ガラスウィンドウの前に立つマスク姿の番頭さんが、親し気に手を振ってくれていた。「神保町に来たの、三ヶ月ぶりですよ」とご挨拶し、非常事態宣言下の神保町の様子などを教えていただく。やはりお店はほとんどが閉まり、一誠堂さんも営業を再開したのは五月中旬からとのこと。六月に入り、ようやく街全体も動き出しているが、まだまだ以前の客足にはほど遠いそうである。せっかくなので店頭で目についた、紐で括られた新潮文庫「シャーロック・ホームズの冒険」「思い出」「帰還」「事件簿」「最後の挨拶」「叡智」「緋色の研究」「バスカヴィル家の犬」「恐怖の谷」をいただくことにする。すると550円だったのを、何と440円にしてくれるという。思わず「まさか、一誠堂さんに負けてもらえる日が来るなんて…」と感慨深く呟くと、番頭さんと店員さんに笑われてしまう。その後は『白山通り』の「タクト」(2011/11/11/参照)で、春陽堂書店「戀愛曲線/小酒井不木」(復刻版。函ナシ)を110円で購入し、最後に「日本書房」(2011/08/24参照)へ。久々に柔柔和本タワーや古い文学本にうつつを抜かし、中央公論社「彼女等と語る時/片岡鐡兵」を800円で購入する。モダンな中央公論社・中間物選集(隨筆やコント)の一冊である。ちなみに同シリーズの淺原六朗「都會の點描派」の巻末自社広告には、『ジヤズとキネマとダンスのモダーンライフ! 自動車と高層建築とスポーツの都會交響楽! 感覺的な機智に富んだモダーンナンセンス! そしてマルキシズムとアメリカニズムの街頭行進曲! この近代的カクテルを召上がれ!』の乱痴気な宣伝文あり。そんなモダーンな一冊を最後に釣り上げ、神保町を後にする。それにしても、いつもの感覚でお店をハシゴすると、お店に入る度に手指を消毒することになるので、なかなか大変だ。消毒液の種類も各店で違うし、手はスースーしまくるし、いつか一緒に気化してしまいそうだ…。
yokomizo_kataoka.jpg
というわけで本日の嬉しい収穫。そういえば横溝センセイ、昨日BSで放送された映画『病院坂の首縊りの家』で、冒頭に長い時間出演され、セリフもメチャメチャたくさん喋っていた。さすがは文士劇でならしただけのことはある……と言っておこうか。
posted by tokusan at 14:03| Comment(0) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: