2020年06月29日

6/29梅雨の狭間の古本屋回り。

昨日は、土曜日の時点で財布を無くしていることに、遅ればせ過ぎながら気付き、悄然と過ごす。だが、すぎ丸に乗る時に使い、その後は手も触れていなかったので、恐らくすぎ丸で落としたに違いない。そう当たりをつけ、運行している京王バスに電話し、落とした日時と財布の詳細を伝えると、何と永福町の営業所に当該財布が届いていると言うのだ。大喜び永福町に駆け付け、財布を無事に引き取る。受け取る時に、所定の用紙に名前や住所や電話番号を書き付けるのだが、その時に「これを何か証明するものはお持ちですか?」と係の方に聞かれるが、運転免許証も健康保険証もすべて財布の中…「す、すみません。すべてその中に…」というと、係の方は「ハハハハハハ、そうですよね〜」と笑って渡してくれた。ふぅ、一時はどうなることかと思ったぞ。

そんな己の招いた愚かなアクシデントを乗り越え、本日は午後に外出。そろそろ開いているのではないかと、保谷「アカシヤ書店」(2008/12/17参照)を見に行ってみるが、すでに営業時間内なのに、パイプシャッターがガッチリと下りてしまっている。扉にはコロナ禍の休業要請に応え貼付けられた、二枚の休業のお知らせが貼られたままである…う〜む、これが貼りっ放しということは、まだお店は再開していないのだろうか?まぁ、また偵察に来ることにしよう。そんな風に空振りに終わったが、このまま空手で帰宅するわけにはいかぬので、大泉学園に出て「ポラン書房」(2009/05/08参照)へ。春陽文庫「清風荘事件/松本泰」を330円で購入し、ひとまず古本心を宥めすかす。続いて石神井公園に出て、「きさらぎ文庫」(2009/01/21参照)に立ち寄る。おぉ!岩波少年文庫46オリジナル版の「サル王子の冒険/デ・ラ・メア 飯沢許」をラック棚に発見する。NHKラジオドラマ『ヤン坊 ニン坊 トン坊』の原案となったお話でしょう!と喜んで抱え込み、文春文庫「旅芝居殺人事件/皆川博子」とともに計200円で購入する。なんだかエンジンの回転数が、無闇矢鱈と上がって来たぞ!そのまま南口駅前からバスに乗り込み荻窪へ。「竹陽書房」(2008/08/23参照)では河出文庫「家と庭と犬とねこ/石井桃子」アトリエ社 現代ユーモア全集第五巻「喃扇樂屋譚 碁盤貞操帶徳川夢聲」(函ナシ)を計600円で購入する。まさか『現代ユーモア全集』と竹陽さんで出会えるとは。これだから古本屋回りは、やめられないこたえられない。
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「竹中書店」(2009/01/23参照)は店頭ワゴンの中身がいつもとちょっと違っており、右側の二冊100円コーナーに、古い映画館の二番・三番館のニュースパンフが小分けされ並んでいる。パラパラと繰って行くと、『東宝映畫封切 阿佐ヶ谷 名画座』『阿佐ヶ谷オデヲン座』などがまとめられた一群を見つけたので、「ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭'92」パンフレットとともに100円で購入する。『阿佐ヶ谷 名画座』は駅南口にあったらしい。その跡地と思しき場所を遠望し、里帰りの記念撮影。
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そんな一日を締めくくるように、駅頭でカバーデザインを担当した本を受け取る。綺想社「綺想紙漿小説 スパイシー三昧壹 地獄船の娘 竜涎香の秘宝/ロバート・E・ハワード」。『剣と魔法の世界』を築いたコナンシリーズのハワードが、パルプマガジンに発表した、本邦初訳のB級アクションバイオレンスお色気小説…言わば逆ハーレクインとでもいいましょうか…いや、低俗で通俗的で大衆的で素晴らしい!うひゃっ、この文庫、糸縢りでスピンも付いてる。何でこんなに豪華な造りなんだ!と製作者に疑問をぶつけると「いや、どうせそんなに売れないだろうから、自分が楽しむために手をかけたんですよ」とのこと。全く持って物好きである。まぁそうでないと、こんな訳本は出版しないか。七月四日から「盛林堂書房」や「まんだらけ海馬」に並ぶと思うので、一風変わった刺激を味わいたい方は、お店で探してみてください。
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posted by tokusan at 18:53| Comment(5) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
阿佐ヶ谷の名画座といえば、三島由紀夫が「博奕打ち 総長賭博」を見た伝説の映画館も混じっているのでは? 「阿佐ヶ谷名画座」か「阿佐ヶ谷オデオン座」か、どちらかかも?
Posted by 海野又十郎 at 2020年06月29日 20:27
そ、そんなエピソードがあるのですか。『阿佐ヶ谷名画座』は東宝、『オデヲン座』は洋画専門。「博奕打ち 総長賭博」は東映映画なので、『阿佐ヶ谷中央劇場』ってところかもしれませんね。
Posted by 古ツア at 2020年06月30日 15:43
「映画芸術」69年3月号に載っている文章で、パールセンターの中にあった映画館だそうです。映画が始まる時間なのにテケツのおばちゃんがいなかったり、館内はトイレ臭プンプンだったり、三島が素晴らしいのはそんな状況に文句を垂れるのではなく「理想的な環境」と言ってしまうところです。この映画の評価が一気に高まったという伝説的な文章で、確か、三島の映画評だけまとめた本に入っているはず。
Posted by 海野又十郎 at 2020年06月30日 18:20
そうそう。パールセンターの東宝から、さらに横に入った小路の奥にある古ぼけた小さな映画館だと、三島は書いてました。この手の厠臭ただようような映画館は、あらゆる私鉄沿線も含めた駅近に必ず数軒ありました。私らは地球最大の決戦もガメラも大魔神も、それに青春アゴーゴーや太平洋ひとりぼっちも、みんなこの手の映画館で観ましたね。
ところで三島は評論を書かせると実に巧みで、小説よりも上手いところがありますね。三島自身が惚れ込んでいたドロンのサムライなどの映画評は、本当に見事でした。
Posted by 東奔西走 at 2020年06月30日 21:56
まさか古い阿佐ヶ谷の映画館の話で、こんなに盛り上がるとは思ってもみませんでした。いや、楽しい楽しい。そういえば音楽バンド・レピッシュの歌で、阿佐ヶ谷駅前の映画館にポルノを観に行こうとしたら、潰れていた…って言うのもありましたっけ。
Posted by 古ツア at 2020年07月01日 20:51
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