2020年09月02日

9/2帯から『冒険コロボックル』を思い出す。

午後二時過ぎに東小金井に流れ着いたので、突然の豪雨に土砂降られながら、平面で直線的な住宅街を縫い縫い、新小金井の「尾花屋」(2017/06/15参照)へ。着いたところで、ちょうど雨が通り過ぎて行った。傘を畳んで店頭で一息。やはりこのお店での注目ポイントは、左側店頭の安売絵本棚だろう。店頭カゴは雨のために店内に引き入れられているようで、これは後で見ることにする。すると最下段で、佐藤さとるの大判絵童話があるのを発見する。講談社 児童文学創作シリーズ(幼年版)「タツオのしま/佐藤さとる・作 村上勉・絵」。名コンビの昭和46年の作品である。これは47年の第2刷だが、帯が付いているのが素晴らしい。子供のために買われた児童文学や絵本で、帯が生き残る確率は、かなりの低さであろう。箱やカバーさえ、子供たちの激しい活動には、耐えられないのだ。華奢な帯なんて、すぐさまビリビリグシャグシャに。というわけで四十八年前の帯が残っているのを祝福して店内へ。ややや、いつの間にか中央に洋服掛けが出現し、洋服が売られている。こりゃいったいどうしたことだ。と驚きながら棚やカゴを見ていると、短時間に三人のお客さんが訪れ、みな本を買って行った…「尾花屋」さんが、すっかり地元に定着している様を目にしながら、「タツオのしま」を300円で購入する。佐藤さとる作品は、その人気のせいか、後年に様々なタイプの全集や作品集や選集などにまとめられていることが多いのだが、やはり出版当時のオリジナルが一番魅力的である(全集では「タツオの島」と漢字になっている)。

家に帰り、絵童話なのでスパッと楽しく読了し、唯一ある棚(一段だけだが)児童文学棚に挿そうとしたところで、おっ!これもそう言えば帯がちゃんと付いていたな、と気付く。講談社「コロボックル物語1 だれも知らない小さな国/佐藤さとる」である。もはや新版なので絵は若菜珪ではなく、村上勉にバトンタッチしてからの本である。しかも昭和48年の第十四刷と別にめずらしくもないのだが、当時コロボックル物語を原作としたテレビアニメ『冒険コロボックル』の宣伝帯が巻かれているのだ。このアニメ、うっすら見てた覚えがあるなぁ。せいたかさんは原作と同じだが、コロボックルはボックル・クスクス・ラブラブという、わかりやすく現代的な名前になっていた。帯の惹句『「冒険コロボックル」の名原作』『いま、日本じゅうのテレビで大評判の「冒険コロボックル」その香り高い原作です!!』が泣かせてくれる。
satoru_obi.jpg
posted by tokusan at 19:00| Comment(2) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おお!佐藤さとる&村上勉の黄金コンビ!帯付きはなかなか珍しいし、状態も良さげですね。自分は「おおきなきがほしい」を買ってから、このコンビにハマってます。
佐藤さんの作る話の世界観と、村上さんのイラストの味が絶妙ですね。村上さんのイラストは初期の頃が好きです。髪の一本一本まで描き込まれた細やかさとか、主人公の部屋とかのディテール!「おおきな〜」の木の家に住みたい〜。
Posted by ヘイスティングス at 2020年09月02日 20:17
そう、佐藤さとるのお話って、その土地や家に住みたくなりますよね、「タツオのしま」も、家の庭にある小さな池に、島をつくるお話。あぁ、うらやましい!
Posted by 古ツア at 2020年09月03日 17:32
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