2020年09月13日

9/13油断ならない「竹中書店」。

本日は午後に芦花公園近くに流れ着いたので、関東バスに飛び乗り、環八を北上して荻窪へ。駅南口線路際の終点でバスを降り、フラフラと「竹中書店」(2009/01/23参照)へ。店頭の二冊100円ワゴンには、大量の映画&ミュージカルパンフが追加されているようだ。辛抱強く丁寧に、商店街を行き交うたくさんの人に背を向けて、薄手のアート紙冊子と曇り空の下で格闘する。ケイブルホーク「戦慄的サスペンス映画 フリッツ・ラング スペシャル「M」「マンハント」」をまずは確保。続いて東映「金田一耕助の冒険」を見つけたので計100円で購入する。「金田一耕助の冒険」は先日逝去した大林宣彦監督のナンセンス外伝的横溝映画。低予算ではあるが、わりと豪華なスタッフ&キャストが画面狭しと無闇に暴れ回る、映画業界のお祭り騒ぎ映画でもある。だが実は、角川文庫的探偵&推理小説お祭り騒ぎ映画の側面も持っているのだ。何たって、横溝正史先生が角川春樹からジュラルミンケース一杯の印税を貰ってほくそ笑むシーンがあるし、床屋の客として高木彬光が。またテレビ局のゲスト役で笹沢左保(凛々しいイケ面である)も顔を出しているのだ。同時上映は、村川透監督・松田優作主演のハードボイルド映画『蘇る金狼』(ただしクセの強過ぎる共演者たちが、よってたかって面白演技を展開しているので、優作が真面目にハードボイルドを演じれば演じるほど、周囲とのギャップが際立つ非常に楽しい映画となってしまっている)。ちなみにパンフ表4の『横溝正史フェア』の広告は、映画原作の文庫「金田一耕助の冒険1・2」とジュブナイル作品のみがラインナップされている。いやぁ、最近の「竹中書店」さんは、油断がならないなと感心しつつ、「古書ワルツ荻窪店」(2020/07/30参照)へ。おぉっ、店内中ほど新書棚の横に、大量のポケミス棚が出現しているではないか。これは何か他にも動きがありそうだ…と察した矢先に、むぅ、新書棚にて古い新潮文庫「奇蹟の扉/大下宇陀兒」発見!多少疲れ気味だが、頑張って補強すれば、頼りになる手応えを取り戻してくれそうだ!と550円で購入する。
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posted by tokusan at 18:29| Comment(2) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この「金田一耕助の冒険」という映画、大槻ケンヂが「当時のパロディが現代では全く意味が分からなくなってしまっているために結果的にパロディとしての存在理由は失われ、ギャグとしても成立せず、もはや現在では"観るなぞなぞ"と呼ぶべき状態になり、かえってシュールな作品に変貌している映画史に語り継がれるべき怪作」と評していて(ウィキペディアからのコピペです)、小生が平成のはじめ頃(ということは初公開から十年ぐらい後)に大井武蔵野館で見た時点でさえ、「これは公開当時そういった元ネタがあったんだろうな」と思わせる空振りのギャグで満載といった印象を否めませんでした。
ファーストシーンが古谷一行演ずる金田一耕助が電車のボックスシートで同席した檀ふみに自己紹介すると、檀ふみ嬢「あぁ、あの有名な」と一息おいて「言語学者の」と言ってコケるというところからはじまります。そのほかに、劇中劇として三船敏郎の金田一耕助と三橋達也の等々力警部のコンビが白黒サイレント映像で動き回るような一コマや、横溝正史本人が「こんな映画だけには出たくなかった」という台詞を口にするシーンもあります。
渋谷シネマヴェーラあたりで横溝正史原作映画特集を組んだりしたら、意外とこの映画、観客にバカウケするのではにかしらん。
Posted by 熊方南楠 at 2020年09月13日 22:57
大槻ケンヂの評、言い得て妙ですね。私は似た感じのメジャーデビュー作『HOUSE』は好きなんですが、この映画は全然乗れませんでした。金田一がローラースケートしてるところと、壁に人間がぶつかってぺったんこになるのしか覚えてないほどです。この当時の大林は、恐らくポップカルチャーそのものを映像化したかったのだと思いますが、特撮技術が理想の世界に追いついておらず、奇妙でチープな映像が大画面に映されるのを繰り返していた感があります。ですが『転校生』や『時をかける少女』で、抒情との融合を果たしてとんでもなく飛躍しました。最近の作品は不勉強で未見なのですが、進んだCG技術を駆使して、理想の映画製作を果たしていたのでしょうか…。
Posted by 古ツア at 2020年09月15日 18:45
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