2020年10月16日

10/16『探偵小説狂想曲』ダブルアンコール!

足の調子が少しずつ良くなっている気はするが、油断は禁物。今日も外出は午後イチに阿佐ヶ谷に出ただけで終わり。その帰り道、日射しは明るいが風は冷たい『旧中杉通り』をガックリガックリ歩いていると、当然「古書コンコ堂」(2011/06/20参照)の前で立ち止まる。店頭棚に古い本が出ているな…四六書院「古今いかもの通/河原萬吉」と紫書房「黒ミサ異聞 淫夢女精の記/J・K・ユイスマン」を抜き出したところで天板上の隅に置かれた本にも視線を移すと、一番端にポプラ社「推理小説の読み方/中島河太郎」が潜んでいるのを発見する。箱ナシで線引きアリで後見返しの遊び紙が一枚無いが、これが110円なら安いものである。そしてこんな本が店頭に出ているのならば、店内にも異変が起こっているはず!そう確信して、まずは気持ちを落ち着け、手指消毒をしっかりしてから店内に進む。そして中央通路の目指す探偵小説棚前に立つと、並びに変化が生まれているのを即座に察知する。ついに『探偵小説狂想曲ダブルアンコール』(2020/08/19&09/06&09/19参照)の開幕である。香山滋「魔境原人」は売れちゃったのか…東方社の函入り横溝正史本が何冊か出現している。『由利・三津木探偵小説選』は食指がピクピクするなぁ…新潮社新作探偵小説全集「鐵鎖殺人事件/濱尾四郎」は函の天が欠損しているのが大変に惜しい!その代わり非常な安値となっている。おっつ、このちょっと背が傷んだ古い雑誌は…と引き出してみると、新潮社 昭和五年「文學時代11月 世界獵奇讀物全集号」であった。これは探偵小説魂が燃え上がる一冊である。「文學時代」は時々探偵小説関連を特集してくれたニクい文芸誌。それはこの時代に、探偵小説というジャンルが、勢いを持っていたことをも意味している。よもや『探偵小説狂想曲ダブルアンコール』で出会えるとは。これは『世界獵奇讀物全集号』となっているが、甲賀三郎『勇猛果敢の脱獄』横溝正史『ある女装冒険者の話』橋本五郎『貸家ノート』水谷準『白猫ユラ』佐左木俊郎『黒馬綺譚』などが掲載されており、かなり探偵小説的色合いが濃い。そして当然、世界の猟奇尖端風俗犯罪記事のオンパレード…エログロモダンナンセンスの颶風が顔にブワッと吹き当たり、しばし恍惚とする。先ほどの店頭本と合わせて計1910円で購入する。うぅ、幸せだ。お店の近所に住んでいるという地の利を生かし、こんなにも欲しい本を手に入れることが出来るなんて…。いずれトリプルアンコールもあったら、嬉しいなぁ。
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雑誌の後半には、短篇の翻訳探偵小説『バーネマウス事件/エドマンド・ビーアソン』と『アリバイ/トリスタン・ベルナール』が収録されているが、挿絵は両方とも竹中英太郎が担当し、豪勢にも六枚が掲載されている。
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posted by tokusan at 15:49| Comment(3) | 古本屋消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「フォ二ャルフ」の補充に行かれたりしているので、もうご存じかもしれませんが西荻窪の「花鳥風月」が12月で閉店するそうです。閉店セールをやっているようです。

それにしても「みちくさ市」が、長期間開催されない状況になるとは思ってませんでした。
また「銀盛会館」などのイベントで、古ツアさんが並べた古本を購入したいものです。
Posted by 冬の枯れ木 at 2020年10月17日 10:08
ツイッターを見ていましたら、経堂の「大河堂書店」も10月末で閉店という驚愕のツイートが!
古本屋さんの閉店の知らが続くと悲しくなります。
Posted by 冬の枯れ木 at 2020年10月17日 21:12
閉店情報ありがとうございます。悲しい、切ない、苦しい、寂しい…特に「大河堂書店」の閉店は、古本心に大打撃です。…十月が終わるまで、後十日余り…何度か見に行くことにします。これで経堂からは、「ブックオフ」以外、古本屋さんが無くなる事態に。うぅ。
Posted by 古ツア at 2020年10月19日 14:12
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