2021年01月21日

1/21「探偵小説 幽靈紳士」出来!

とある古本屋地図制作のために、深く静かに潜行中であるが、昨日は所用あって吉祥寺に出る。「よみた屋」(2014/08/29参照)で修道社現代選書9「妖怪談義/柳田國男」(昭和三十三年五版。岡鹿之助のシンプルだが味のある装幀が魅力的)を110円で購入し、トコトコ歩いて西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ。「フォニャルフ」棚に新鮮な風を!と補充入替をするつもりだったのが、何と棚の前に跪いた瞬間に、準備した古本を家に忘れて来たことに思い至る…ただただ、オロカナリ……。潮出版社「人工の星/北杜夫」を100円で購入し、店主・小野氏とお仕事について二三打ち合わせをし、スゴスゴと阿佐ヶ谷に敗走する。

そして本日も潜行中だが、夕方に表に飛び出し、阿佐ヶ谷駅でカバーデザインを担当した新刊二冊を受け取る。綺想社 綺想紙漿雑誌暴譯叢書漆「惡の華/クラーク・アシュトン・スミス」東都我刊我書房「探偵小説 幽靈紳士-或いは、恐怖の齒型 室蘭版-/大下宇陀児」である。
yurei_aku.jpg
「惡の華」は当叢書のC・A・スミス四冊目の作品集。怪奇幻想幽霊色が強めの、相変わらず素敵にいかがわしく、真冬の読書欲をそそる一冊である。「探偵小説 幽靈紳士」は昭和九年〜十年にかけて、北海道の『室蘭新聞』に掲載された、大下宇陀児初の新聞連載探偵小説を、初めてまとめた単行本である。大下の書誌にも記載が見当たらぬ、まさに幻の作品である。だがその実体は、物語の発端や登場人物の名は違えども、代表作『恐怖の齒型』のヴァリエーションに他ならないのである。初の新聞連載小説で、意気込んで書き始めたはずなのに、早々に『恐怖の齒型』展開になって行く…何故!? 江戸川乱歩が『獵奇の果』の展開に行き詰まり、連載雑誌の編集長・横溝正史に『もう『蜘蛛男』風にしちゃってください』と言われ、作風を変えてしまったのと、何か同じ匂いが…。いや、そんな貴重な埋もれた作品を、八十六年ぶりに二十一世紀に掬い上げてくれた編者に、ただただ感謝である。最初は当時の新聞連載記事で包むような感じにデザインしようと考えていたのだが、諸事情により新聞が使えぬことが判明。結局一から考え直し、『恐怖の齒型』+『幽靈紳士』というイメージで、レントゲン写真風の廃墟やしゃれこうべの歯をあれこれ組み合わせた地紋を作り、書名タイトルを古書の活字からピックアップして完成と相成った次第。うむ、気に入ってます!二冊とも1/23から「盛林堂書房」店頭や通販サイト、中野「まんだらけ海馬」(2015/02/06参照)で販売開始されるので、探偵怪奇好きの皆さまは是非ともお楽しみに。
yurei_kyoufu.jpg
というわけで、偉大過ぎて畏れ多い大先達・竹中英太郎装幀の博文館「恐怖の齒型」とともに記念撮影。くぅぅぅぅ〜〜〜〜、ゾクゾクしますねぇ。
posted by tokusan at 19:00| Comment(2) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
先日書いてらした「棚からボタ餅」ですね!楽しみにしていました。
Posted by かに座公園 at 2021年01月21日 21:07
覚えておいてくださりありがとうございます。でもやはり、新聞の連載記事で包む方も、やってみたかったなと、未練がましく思ったりします。どうか、大下宇陀児の知られざる探偵小説、お楽しみください!
Posted by 古ツア at 2021年01月22日 14:50
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: