2021年04月08日

4/8「中央線書店」パイロット版。

午後三時過ぎに中央線快速上りの北側ドア窓に、ぺったりと凭れかかっている。漫然と車窓を眺め、阿佐ヶ谷へと向かっているのだ。だが、電車が『環八』の上を越え、荻窪駅のホームに滑り込む瞬間、雑居ビルの一角に本棚が見えた気がしたのか…げ、幻覚か?だが古本屋さんに命を賭ける者ならば、これは是が非でも確かめずにはおられまい。と荻窪駅で急遽途中下車し、西口改札から北側に出て、化粧レンガの敷き詰められた『白山通り商店会』の道を線路際に向かう。やがてビル街の中に長い参道を持つ『白山神社』を右に見て、線路際に出る。そしてそのまま『環八』方面へ……あった。本当に本棚だ。古本棚だ。しかも小さな古本屋さんだ!
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窓には何やらシンボルマークとともに『本のことなら中央線書店』とある赤い紙が貼られている。建物の袖には黒い立看板が立て掛けられ、『古本買取します』のコピーとともに、営業時間が書かれている…本当に古本屋さんだ。いつの間に出来たのだろうか?店頭には100〜500円の本棚と、200均の小さなコミックダンボール箱が出されている。棚には、文学・三島由紀夫・文庫本・「キンダーブック」・「よいこのくに」・アート・デザインなどが並んでいる。そして窓に貼られたさらなる貼紙を見ると、どうやらまだお店は開店準備中らしく、今はこの表の棚だけがお店として機能しているようだ。言わばパイロット版と言ったところ。その棚をじっくりと精査…むぅぅ、函ナシで蔵印ありだが、第一書房「古希臘風俗鑑/マルセル・シュオブ 矢野目源一譯」を見つけ出し、早速この小さな線路際のお店に好印象を抱いてしまう。さらに「よいこのくに」を丁寧に繰っていくと、丸々一冊武井武雄が絵を手掛けた、よいこのくに社「よいこのくに 特集・おつきさまのはなし/画・武井武雄 文・浜田広介」を探し当てたので、一緒に購入することにする。右側の引き戸を開け、中でパソコンに向かう黒ずくめの青年に精算をお願いしようとすると、店頭棚に戸が食い止められ、ちょっとしか開かない…ガラス越しに二人で顔を見合わせ苦笑し、ともに仕方なく左側の戸に移動する。店内にはスチール棚が置かれ、所々に古本を並べている。精算をしていただくと「店内も今開店準備中なんです」と言われたので、「いつ頃開店予定なんですか?」と返すと、奥から現れたこれも黒ずくめのうら若い女性が「この半年くらいで開店するつもりです」と答えてくれた。おぉ、それは非常に楽しみです。何にせよ、「ブックオフ」以外、古本屋さんの消え去った駅北側に古本屋さんが出来るのだ。しかもファースト・インプレッションは大変に好ましいものとなったのだ。これからは荻窪に来る度に、様子をうかがうことになりそうだ。
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予想外の出会いから獲得した収穫二冊。「古希臘風俗鑑」には神保町「田村書店」(2010/12/21参照)と古い「紀伊国屋書店」のラベルアリ。
posted by tokusan at 17:01| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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