2021年05月10日

5/10東京・高円寺 ホワイトハウスのクリーニングまるや店

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朝から謎の“古本屋分布図”に関わる原稿書きを、ゆるゆると進める。〆切がまだまだ先なので、焦らずそれほど身が入らずと言った感じで、あっという間に午後になる(合間合間に読み進めてしまった、山田風太郎の「おんな秘牢抄」があまりにも面白いため…というのもある)。午後になってブラリと高円寺へ。「古書サンカクヤマ」(2015/02/02参照)で同時代社「金庫破り かぎの開け方教えます/杉山章象」を100円で購入し、「ドラマ高円寺庚申通店」で原書房「仔犬のローヴァーの冒険/J・R・R・トールキン」を110円で購入し、初夏の暑さで気怠さが漂う高円寺パトロールを終えたつもりで、『庚申通り』を南下して『中通り商店街』を西に進む。するとあぁっ!駅北口から150mほど来た場所にある、ファミリーマート手前のクリーニング屋さんが、シャッターを右側半分だけ上げているではないか。「古書コンコ堂」さんにタレ込まれた、古本を置いていると言うクリーニング屋さんである。だがこれは、置いていると言うレベルではない。明らかに小さめの古本屋さんほどの規模で、古本をドバドバ並べているではないか!入口付近には50均&100均の文庫&新書ダンボールがたくさん。純文系や時代小説がメインである。100均ペーパーバック棚(ペンギンブックス多し)もあり。通路状の店内には、両壁際に様々な種類の本棚やダンボール箱が続き、歴史・経済・社会&世界情勢・歴史小説&時代小説・海外文学研究・隆慶一郎箱・曾野綾子箱・野坂昭如箱・藤沢周平箱・山本夏彦箱・池波正太郎ゾーン・佐藤優ゾーンなどを確認する。単行本は一冊二百円、三冊五百円となっており、紐で縛られたシリーズ物セット販売も。タレコミでは古本濃度薄しと言うことだったが、硬めではあるが蔵書量も多くて、なかなかどうしてイケる感じじゃないですか。と必死に本の背に視線を注いでいると、奥の方に座った白髪頭の引退した黒田総裁風オヤジさんが「これ、全部俺の本なんだよ」と話しかけて来た。その後、、とつとつと続く語りによると、学生の頃から大量に買い集めて来た本が溜まりに溜まり、去年クリーニング屋の取次ぎを辞めたことをきっかけとして、通りから二階への通路であるこの場所に、蔵書を並べて販売し始めたそうである。「もう、家族からどうにかしてくれって、毎日言われててね」「この先もうどうなるかわからないし、だから少しでも減らすためにここに並べたの。でも、まだまだあるんだ。まだまだたくさん。読まないのに買っちゃうんだよね。病気だけど楽しいんだよ。これが」とのことである。うむうむ、古本好きとしてわかりますよ、その気持ち。「学生時代は英文学専攻だったから、だからそこにペーパーバックが並んでるの。これはちゃんと全部読んでる。一応百円つけてるけど、英文学を勉強してる学生が来たら、ただで譲ろうと思ってる。でも、まだ来ないねぇ〜」などと、まだまだ本に囲まれた人生を存分に謳歌している模様。南雲堂「アメリカ一周バス旅行/石一郎」毎日新聞社「秘境ブータン/中尾佐助」「チベット潜行十年/木村肥佐生」の三冊を選んで差し出すと、「うわっ、古いの掘り出して来たね。昭和33年…オレが高校生の頃に買った本だよ。よし四百円でいいよ。買ってくれてありがとう」とおまけしていただく。

本日あたりから本屋さんに並び始める「本の雑誌 アメンボ張り込み号」の連載『毎日でも通いたい古本屋さん』では、店頭木製ワゴンに目を瞠る本が頻繁に大盤振る舞いに並ぶ、荻窪「竹中書店」を取材。毎日見張らないと気が済まない、老舗のお店なのです。現在コロナ禍休業要請のため臨時休業中ですが、早く、一刻も早く開かないかと、日々願っております。
posted by tokusan at 16:28| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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