2021年06月18日

6/18東京・代田橋 バックパックブックス

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阿佐ヶ谷から渋谷行きのバスに乗り、途中の『代田橋』で下車。京王線の代田橋駅にに向かうため、ビルの谷間の小さな地元商店街を通過して、駅横で南に踏切を渡る。すると駅南口の階段を上がったところは、道が広角に折れ曲がる、小さく短い地元商店街である。その中に、何だか白い小さなお店が、梅雨の晴れ間の日光の下で浮かび上がっている。メールタレコミで知った、新刊と古本を扱うお店である。店前の道路には、立看板と百均文庫&単行本棚。それに絵本を詰めたアタッシュケースがあり、他にも椅子やテーブルが続いている…さらにマスクをした白シャツの、若かりし頃の利重剛を思わせる細めの青年が、表で店番をしている。何故表に出ているのか?それは店内を見れば一目瞭然である。そこはちょっとした広めの玄関ほどの小空間で、壁際に棚が巡らされている。三人は入れるだろうが、コロナ禍のご時勢では、一人がベストである。現代思想&カルチャー・文学・新刊(リトルプレス)・映画・ヒップホップ・ニューヨーク・エッセイ・植草甚一・小林信彦・阿久悠・旅・セレクトコミックなどが並び、三百冊弱ほどで、現代的でクリエイティブな若者空間を造り出している。値段は普通。表の絵本アタッシュケースから、岩崎書店「まんだくんとマンガキン/矢玉四郎・作 井上洋介・絵」を購入する。聞けばこの四月に開店したのだが、すぐに緊急事態宣言の休業要請により店を閉めることになったので、本格始動したのはここ一ヶ月ほどとのことである。それにしても、これで代田橋近辺には、「プチニコラ」(2019/12/15参照)と「flotsam books」(2020/08/08参照)に続き、古本を扱うお店が三店に増えたことになる。駅北側の『リトル沖縄』に続き、小さな『古本タウン』になってくれると嬉しいのだが。とにかく開店おめでとうございます!「本の買取もしてますので、よろしくお願いします」の声に送られ、小さなお店を後にする。

そして『環八』に出て、ズンズンズンズン南へ歩く…やはり、昨日のあれを馬鹿みたいに買いに行くことにしよう。小田急線の世田谷代田駅から電車に乗り、祖師ケ谷大蔵駅で下車。サッサカ『ウルトラ商店街』を北に進み、十分ほどで「祖師谷書房」(2009/03/05参照)に到着する。すると先客が二人…だがそれをものともせずに、右側通路に進入し、昨日買おうかどうか迷った本を探す…おぉ、あった。春鳥會「特異兒童作品集」を2500円で購入する。昭和十五年三版の、精神に障害のある子どもの絵画作品を集めた一冊であるが、これが何と後の放浪の天才画家として全国的に有名になる山下清の、若かりし頃の作品集!と言っても過言ではない編集がされているのである。…こんなのが絵本の山の中に紛れ込んでるんだもんなぁ……。仮名の『清』の名で、昭和十〜十四年作成の色紙貼絵・鉛筆画が計四十七点(二十五点は原色刷り)。掲載作品を選んだのは画家の安井曽太郎で、床一面に児童の作品を並べて吟味したところ、自然と清の作品に集中してしまったらしい。解説にはちゃんとイデオット・サヴァン(サヴァン症候群)についての記述もあるし、少し載っている他の児童の作品(仮名“謙二”君の作品が、かなりアウトサイダーアートで圧倒される)も魅力的で、やはり買って良かった!と純粋に感じる一冊である。山下清は、養護園に入る前から、色紙貼絵に熱中し、熟練していたとのこと。彼の放浪生活が始まるのは、この本の初版が出た一年後からである。
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右は清の昭和12年作『お化け』。いいですなぁ〜。
posted by tokusan at 20:18| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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