夕闇迫る池袋に出たついでに、この間入れなかった、元「平和堂書店」(2008/10/30参照)の「光芳書店」を見に行く。『へいわ通り』をズラズラと北上し、やがて脇道のお店の前…扉が開いている。表に百均棚が出ている。やっている!と中に吸い込まれる。すると入ってすぐ左には、ネット管理が行き届いた歴史古書棚。右には垂れ下がるビニールカーテンに守られた帳場がある。そしてそれぞれ以前のように行き止まりの通路は、六本が四本に減少し、右側二本はアダルト通路。左端が時代劇文庫・一般文庫・出版社別文庫・囲碁将棋・大判本などが集まり(奥の一部は立入禁止になっている)、その隣りに、絶版漫画・コミック・二百均単行本・文学・映画・実用系&ビジュアルムック・雑本となっている。ふぅむ、街の大衆的な古本屋さんの雰囲気だ。上野文庫の古書ラベルのついた二百円の梅毒の本を買いそうになるが、思い留まり大阪府教育委員会「映画の見方 第6集 作家と作品 」を200円で購入する。発行元からわかる通り、若者の健全な成長と観賞眼を養うための映画読本である。昭和三十八年刊で、木下恵介・黒沢明・小津安二郎を特集。巻末には『大阪府教育映画等審査会審査映画一覧表』という名の推薦映画が寸評とともに載っているのだが、東宝特撮映画『妖星ゴラス』が“選定”作品に選ばれていて笑う。『細部に納得し難い個所もあるが(地球を南極に作ったジェット噴射器で軌道を変えるところか)国際的協力を描いて、科学の平和的使用を示した点に意義がある』というのが選定理由らしい。その後は池袋から中村橋に出て、「古書クマゴロウ」(2018/03/21参照)に立ち寄る。店頭で百均文庫を一冊掴み、店内のミステリコーナーと児童文学コーナーをつぶさに観察する。すると古く茶色い児童文学が何冊か入荷していたので、さらに詳しく観察すると、函ナシの大正八年刊、隆文館圖書株式会社 家庭自學文庫「寶さがし/自學奨励會編輯局編」という読みたくなる一冊を見付けたので、太田文庫「異星人遭遇事件百科/郡純」とともに計2110円で購入する。「寶さがし」は、いわゆる金銀財宝を探す冒険譚ではなく、小学校六年生の一群が、寶さがしゲームをしながら、地中に隠されている“資源”という名の寶について学んで行く物語である。つまりは、地学・鉱物の学習物語。見返しの叙情溢れる月夜の景色に、ちょっと胸が締め付けられる。
何故子供の本の見返しを、こんなに切なくしたのだろうか。

