2021年09月26日

9/26最下段から探偵小説カストリ雑誌を。

早朝から気合いを入れてデザイン仕事。机の前に座り続けて、懸命に手を動かし頭を働かせていると、どうにか満足のいくものが出来上がる。だがその代わり、すっかり消耗してしまったので、関係各位にラフを送付し、遅めの昼食後に所用で外出するとともに、吉祥寺で古本屋をウキウキ一巡する。その結果、「古本のんき」(2021/03/31参照)で左側壁棚二列目の最下段に、文芸雑誌とは別な週刊誌などの古雑誌が出現しているのが目に留まる。スッと床にしゃがみ込み、セロファン袋に入った、昭和二十年代辺りの薄手の雑誌を検分して行く。ほとんどが「週刊朝日」だが、端の方にカストリ雑誌もチラホラ……粗悪な神に刷られた、百ページにも満たないペラペラの雑誌である。丁寧に探っているうちに、喜ぶべき一冊に突き当たる。トップ社「探偵・犯罪・実話 トップ 第五號 昭和二十二年五月」である。小さなページ下の目次に目を通すと、『蔦のある家/角田喜久雄』『残された指紋/三谷祥介』『惡戯/甲賀三郎』『盗まれた糸巻/大倉Y子』『甲賀三郎の思ひ出/江戸川乱歩』『實話片々/大下宇陀兒』などなど、探偵小説好きの血が騒ぐ文字がザラ紙上に踊っている。このようなモロい雑誌のこの内容にしては千五百円とお手頃価格な上に状態も良いので、迷いなくスパッと購入する。ぬぅ、予告ページに『若き探偵小説愛読者に贈る思い出多き傑作探偵小説集』のコピーとともに『トップ探偵小説傑作特集號』なんてのが載っている。虫太郎・不木・甲賀・濱尾・久作の諸作とともに、それらの作家を懐古する探偵小説家の一文が付随する構成らしい…欲しい…読みたい……。そして編集後記にある一文、『前號は大へんな賣れゆきであった。用紙が自由になるものなら、第二版を出したいところだが、残念!』は、陰惨な戦禍からようやく抜け出した終戦後二年弱の、自由を謳歌しつつも、まだまだ連合軍占領下で、様々な統制があったことを示している。また、『現在、探偵小説を専門にあつかつている雑誌が十誌ほどある』とも書かれており、戦中に迫害され沈黙していた探偵小説が、終戦後に一気に世間に迸った、いかがわしくおどろおどろしくも、人気ジャンルであることを表している。
top.jpg
posted by tokusan at 17:53| Comment(2) | 追記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
古ツア様、「トップ」、探偵雑誌で、とくに、入手された前後のものは売れたらしい。ちなみに、4号には、海野十三、大月(編集者の前田さんの筆名)など、6号が臨時増刊号で、予告に書かれているように出ています。昭和25年まで発行されました。探す楽しみが増えましたね。
Posted by おいもさん at 2021年09月27日 06:19
情報ありがとうございます。うぉぉぉぉぉぉ、そんなこと知ってしまったら、前後の号も欲しくなってくるじゃないですか…でも見つけるのは至難の業っぽいですね。気長に探してみます!
Posted by 古ツア at 2021年09月27日 21:32
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: