2021年11月04日

11/4東京・浅草橋 古書みつけ

昼過ぎに家を出て、中央線と総武線を乗り継ぎ浅草橋に出る。今日は贅沢にも編集さんにお蕎麦をご馳走になった後、筑摩書房に赴き「野呂邦暢古本屋写真集」180冊にサインするのである。テクテク北に群集とともに歩き、赤信号に引っ掛かると、後からグイと袖を引っ張られた。振り向くと岡崎武志氏の笑顔である。昨日はお疲れさまでした。信号が変わるとともに肩を並べて歩き始め、お店の前で編集さんと合流し、美味しい昼食。満腹した後に筑摩書房の会議室で、心を込めて、ひたすらマシーンのようにサインする。
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我々を待ち構えていた、“三億円の札束”と言った感じで積み上がった「野呂邦暢古本屋写真集」の塊!

私は主に署名と捺印だけだが、岡崎氏は植物や動物のイラストまで描き込む念の入れようである。最後の五冊は、鉄人28号→鉄腕アトム→古ツア→岡崎→野呂のイラストであった。何処に行くかはわからぬが、この五冊は当たりである。

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およそ一時間半で作業を終了し、筑摩書房を辞する。岡崎氏とポツリポツリ話しながら浅草橋駅方向へと戻る。そして駅には入らずに、そのまま東側歩道を南進して、薄緑の『浅草橋架道橋』の下を潜る。さらにワンブロック南下し、セブンイレブンの前で東に曲り、雑居ビル街に入り込む。大通りから一本道を入ると、途端に静かになるのがこの辺りの特徴である。東に歩き続け、三本目の道を南に入る。すると右手のモルタル商店長屋建築の一階に、開店祝いの胡蝶蘭が置かれているのが目に留まる。近づくと、そこが先頃開店した古本屋さんであった。ちょっと奥まった小さな店のファサードは、白壁に木枠のガラス扉と、古風な造りが為されている。右端の縦長ガラスには、店名が緑の塗料で浮き上がっている。引戸をカラッと開けて中に進むと、しっかりと落ち着いた木材で作り込まれた、こじんまりとした空間である。左には百均箱が置かれているのみで、空の飾り棚が壁に展開している。右に縦横に入り組んだ棚があり、入口側から一般文庫・コミック・ミステリ&エンタメ・箱入り文学本・純文学文庫・海外文学・松本清張全集・台東区&文京区関連本・カルチャー・評論・児童文学・絵本・詩俳句・民俗学・鬼・宗教・柳田國男文庫などが並んで行く。棚の一部である小さな扉を開くと、そこには男色関連研究本が隠されており、岩田準一の研究文献もあり。また佐藤泰志の「移動動物園」が千二百円で燦然と輝いていたりもする。足元には大判写真集木箱があり、棚前の古い木製机には、喜国雅彦氏の本棚探偵シリーズが引き出しに入っていたり、大正時代の藤村小説集がディスプレイされている。中央にある柱の下には、店内の緩いルールを書いた紙がポツンと置かれている(現在は買い取りはしていないとか、店内撮影OKとか、店主は恥ずかしがり屋とか…)。新しめの本が多く、値段は普通。奥のカウンター帳場で声を掛けると、「いらっしゃいませ」と声はすれども姿は見えずの店主さんが、暖簾を潜って姿を現わしてくれた。ちくま文庫「舞姫/ヰタ・セクスアリス 森鴎外作品集1」福音館書店「がたん ごとん がたん ごとん/安西水丸」を購入すし、表の通りからもガラス越しに見える、欄間飾りをデザインした栞をいただく。新たに浅草橋の駅近くに誕生した古本屋さんに、万雷の祝福の拍手を!これでこの地では、「御蔵前書房」(2008/11/08参照)との古本屋ハシゴができるようになった訳である。岡崎氏と二人で新店に足跡を残し、総武線にて帰路に着く。
posted by tokusan at 19:59| Comment(0) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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