2021年11月26日

11/26結局二か所で盛林堂の古本を買う。

暖かな正午過ぎの西荻南に流れ着いたので、「盛林堂書房」(2012/01/06参照)に直行する。店頭木箱で勁文社マルチウェーヴ・コレクションvol.1「樹液すする、私は虫の女/戸川純」拾い出して顔を輝かせ、新樹社ぶらっく選書「第四の郵便屋」「怒りの審判」ともにグレーグ・ライスと一緒に計300円で購入する。
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そして表紙デザインを担当した「Re-ClaM vol.7 特集:書物狂森英俊の生活と意見」「Re-ClaM eX vol.3/F・W・クロフツ」を受け取る。ついに偉大な古本神・森英俊氏の特集が組まれる日が訪れるとは!世の中まだまだ捨てたもんじゃない。などと歩きながらちょっとパラパラ目を通して、そのまま吉祥寺方面へ進路を採る。住宅街を抜けて『井の頭通り』まで出て、後は吉祥寺駅方面へ真っ直ぐテクテク。およそ二十分でギャラリー『shell 102』にたどり着く。今日からここでイラストレーター&装幀家のYOUCHANさんの個展『本を巡る冒険2 古本タワー再び』が始まっているのである。個展らしからぬサブタイトル『古本タワー再び』の意味は、ギャラリー内に「盛林堂書房」が持ち込んだ日本近代文学・探偵小説・ミステリ・幻想文学の詰まった多数の木箱が、まるでタワーのように四面に濃厚な古本を晒しながら、フロア中央に屹立することから発している。『井の頭通り』側から小階段を下り、ガラス扉を開いてギャラリー内へ。すぐに古本タワーに取り憑きたい気持ちを『待て待て、これはYOUCHANさんの個展なのだ。決して盛林堂の古本販売催事ではないのだ。いきなり古本を見始めるのは無礼な行為にあたる。まず、まず絵をちゃんと見ようじゃないか!』とグッと抑えて、壁際に意識を集中する。あぁ、渡辺温の『影』が、まるで映画『カリガリ博士』のように表現主義的で、眩惑されるなぁ…やっぱり中井英夫「虚無への供物」の奈々村久生は凛としてプリティだな…などと眼の保養をした後に、ターンして古本タワーと対峙する。すでに十人弱の先客がおり、帳場には古本の山を抱えた精算待ちの人たちが列をなしている。そしてギャラリーの主人は値札の計算にてんてこ舞いである。なので、タワーにはすでにブランクが所々発生している。だがそれでも良さげな本たちが、まだまだ気持ち悪いほどの安値で並んでいるのだ。昭和三十年代の安部公房が軒並み千円以下…講談社「虚無への供物」が三千五百円!?函ナシの新潮社新作探偵小説全集「鐵鎖殺人事件」が千円!?春陽堂書店函ナシの甲賀三郎「琥珀のパイプ」が三千円!?…あぁクラクラして来た…。そしてタワーの最上段にはポプラ社の日本名作探偵文庫がズラッと並んでるじゃないか。…い、いつかは買って読みたいと思っていた「魔の宝石/水谷準」があるじゃあないか…幾らだろう……はっ、八千円だっ!た、た、た、高いけど安い!貸本仕様だけど、ちゃんとカバーが付いていて本の状態も悪くないので、この値段は完全に超お買い得と言えよう…どうする?買うか?買うのか?買っていいのか?買っていいんだよ!買うよ!買いますよ!と結局神経を鈍麻させ、列の最後尾に並んでおとなしく順番を待って購入する。この個展は12/7(火)まで。
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あぁぁ〜ぁあ、散財しちまった。しばらく昼食は食パンで凌ぐしかないな。
posted by tokusan at 17:12| Comment(2) | 東京 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
古ツア様、あの日に、メモしながらも、申し込みを忘却。私にとり、二人の、神の本を入手ならず。残念なり。某日、東京古書会館で、私が先頭、2番目が神、3番目が久生十蘭の編集人。待ち時間、話の内容から、彼らだ、と認識。名乗らず、盗み聞き、ありがたき話だった。やがて時間が来て、一目散に私は移動したけれども、神たちは、ちがいます、こちらが入り口と、優しく誘導、私を先頭にしていただきました。さすが、神たち。
Posted by おいもさん at 2021年11月26日 20:43
な、な、な、なんという神々たちの心温まるエピソード。古本神は偉大なり!
Posted by 古ツア at 2021年11月27日 17:03
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