そんなことがありながら、午前十一時に二日目がスタート。とは言っても、棚の整理やお客さんのお相手をするだけなので(レジは店側がまとめてくれているのだ)、それほどやることはなく、ひたすらノンビリムードなのである。小野氏は知り合いが多いので、飛び出したら楽し気な鉄砲玉のように戻って来ないので、ひとりブース脇に立ち、外をたくさん行き交うワンコたち(何故こんなにも犬が多いのだ!)を眺めて過ごす。途中、昨日に続き北原尚彦氏・日下三蔵氏が挨拶に現れ、さらには高野史緒さんやYOUCHANさんや太田忠司氏や井上雅彦氏の姿も…うぅぅん、ゴージャス。その北原氏が、早川書房の編集長に小野氏を引き合わせた後、「あぁ〜あ、俺もついに人を紹介する年になったのか…」などと感慨深気に嘆いているのがおかしかった。そしていよいよカーニバル終了が迫る午後五時前、今日は何も買っていないのにふと気付き、しつこく棚の整理を進めながも、何か買って行こうと考えていると、手はあちこちにあった鮎川哲也の著作を揃えて並べ始めていた。そのうちの一冊晶文社「こんな探偵小説が読みたい 幻の探偵作家を求めて」を手にし、目次をパラパラ眺めてみる。こんなラインナップだったっけか…じゃあ一作目の晶文社「幻の探偵作家を求めて」では、どんな人たちが取り上げられていたっけ?とそちらも手にしてみる。そしてページを捲ると、途端にギョッとしてしまった!見返しと本扉の間の次の白ページに、ボールペンで書かれた鮎川の献呈署名が入っていたのだ!たっぷり五秒ほど凝視した後、表4の値段を見ると500円である…その瞬間にイレギュラーズ・エクストラから普通人に戻り、レジで精算してたちまち我が物にする。レジから戻り、近くにいた北原氏に「北原さん、スゴいの見つけちゃいました」と献呈署名を見せると「うわぁ、これきっと見返しのサインに騙されて気付かなかったんですよ(この本の見返しには、探偵小説家の署名寄せ書きがプリントされている)」と推察した。続いて小野氏に近付き「小野さん、これ」と見せると「うわっ、えっ、何これ、何これ…本物だよ。完全に見逃しだ、見逃してた!」と愕然としている。「いや、もし戻せと言うのなら、戻しても構わないですよ」「いや、いい。持って行ってくれ。そしてこのことは、ちゃんとブログに書いてくれ。見逃したのもあれだけど、こんなのが最後まで残っているのがおかしいよ。何で誰も買わなかったんだ。気付かなかったんだ。本はやっぱり触ってみなきゃダメなんだ。あーあ、今日一番ショックな出来事だよ」とクサクサ。ボス、喜んで頂戴いたします!残り物には福がある!
などとやっていたら終了の午後五時を迎える。懇親会に向かう皆様を見送り、ここから超スピードの撤収作業に入る。タワーをバラし、木箱を積み重ね、什器を分解し、ピストン輸送でそれらを駐車場のボンゴに運び込んで行く。ひぃふぅひぃふぅ…だが鮎川署名本パワーで見事乗り切り、午後六時前には代官山を後にする。今日もみなさまありがとうございました!


いや、そんなことはあるまい。そんなことはないよね。ないと言って。